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【詩】蛆虫と泥が降る街

私のズボンに穴が空いていた
子どもたちはたくさん死んだ
空中に札束が舞えば
爆弾抱えた誰かが誰かとともに華になる
私のサンダルが片方ない
ガードレールの向こうに落ちていったのだろう
男たちがたくさん今日も死んだ
ガムが靴底に貼り付いているのだよ
憧れた森の奥
宝が眠ってるって すべてを放つ光があるって
憧れた森の奥
友達の死体がたくさんある場所
酔いどれ船に乗って
かつて狂乱だったのはもういつの話か
私は孤独死するもの
おにぎりを求めて溶けゆく者
涙が出ない
鼻水とよだれはたくさん
涙が出ない
ガリー船が港につく時間
あの曇り空割って
神からの光のカーテンのような
あの曇り空割って
神からの光のお迎えのような

あぁ雨露しのげるような
そんな日々
あぁ寒さしのげるような
そんな毛布
蛆虫と泥が降る街
蛆虫と泥が降る街


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