愛について語らいはしない

トレーに並べる首の数々 干からびた眼球
もうシャツの皺は取れない シミも落ちない

花を摘もう 花を摘もう 花を摘もう
落ち窪んだ頬 尖った顎
お前がこれ以上豊かになることはないし
ここが辿り着く場所だと言い渡されている

全ての透明の人々 知らせを届ける力も消え失せた
全ての透明な人々 便りを送る力も奪われた

歯軋りの音が夜な夜な聞こえる
無念を掻きむしるような 傷を消さなくするような
花をむしる 花をむしる 花をむしる
光をかき集めて その船で旅立つから


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