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【詩】武蔵野荒野

鼻の先を抜ける臭さ
指先を抜ける柔らかさ
今度君のいい人連れてきなよ
うどんとワインに色々詰めて出しますから
腹の先を掠める重さ
足先を通り抜ける疲れ
今度君のいい人連れてきなよ
うどんとワインは腐っているのだから

武蔵野の荒野に広がる腐乱臭
ここに来るまで花を見たか
武蔵野の荒野にくたびれたビニールシート
ここに来るまでに花は咲いていたか

指先でなぞる虚しさ
やる気失せても小径さえなくても
小石がめり込んみながら進みまくらねばならない
憎しみなんか詰めてみて
屠殺場なんか訪れてみればいい
エクストラステージに進んで
砕け散る頭蓋

武蔵野の荒野に広がる腐乱臭
ここに来るまで花を見たか
武蔵野の荒野にくたびれたビニールシート
ここに来るまでに花は咲いていたか

味噌汁に溶けた脳みそ
味噌汁に腐った臓器
振り解いて振り解いて振り解いて振り解いて
味噌汁に腐乱死体
味噌汁にキーの違うピアノ
かき回してかき回してかき回してかき回して

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