【詩】光を集める前に

雨の朝　鳥の轢死体が浮いた水たまり
さほど大差ない我々の未来図
しょんべん漏らしたあとのチノパン
引きずって歩く神保町

塩辛飛び散って
子供のおもちゃ奪い合って
踊る街角
アイドルのうつるスクリーンは
滲んで見えない

生きる免許は手にしたことない
墜落した先は狂った競技場
ゼッケン背中につけた覚えはないけど
走る
肺をだめにするまで

光を集める前に金を集めろ
としか書かれないし言われないのは
昔からか、今日からか
塩辛が飛び散っている地面は
アリの巣に染みていくよ

そんなに怯えるなよ
たまには顔見せろよ
わかってるよ、頬張られるだけなのは
人が怖いよ
当たり前だよ
わかってるよ、一息ついてまたがっかりするのは

生きる免許は手にしたことない
墜落した先は狂った競技場
ゼッケン背中につけた覚えはないけど
走る
肺をだめにするまで

光を集める前に金を集めろ
としか書かれないし言われないのは
昔からか、今日からか
塩辛が飛び散っている地面は
アリの巣に染みていくよ