【詩】掟
門番は動かない
例え情に訴えたり
靴の裏舐めてみたりしても
門番は動かない
金をちらつかせても
物品を渡そうとしても
そのナタから滴り落ちる血を
まるでヨーグルトでも眺めるように
ブッチャーは佇んでいる
毟ったささくれを捨てるように
穴あき靴下を捨てるように
ブッチャーはナタを下ろしていく
門番は動かない
例え論理に訴えたり
倫理観問うてみても
門番は動かない
掟があるから
大いなる空のような
そのナタから滴り落ちる血を
まるでヨーグルトでも眺めるように
ブッチャーは佇んでいる
毟ったささくれを捨てるように
穴あき靴下を捨てるように
ブッチャーはナタを下ろしていく
雨晒しの肌着
コンクリートに寝そべっている
雨晒しの肌着
頭の上のリンゴにわいた虫達
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