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【詩】風を抱きしめて

ささくれを噛んで違って
一杯のミルク巡って血に染まる
私はかつて光の衣纏し者だったのだと
その掌で人を掻き分け
その脚で倒れた人の頭を蹴り飛ばして

病床にいっぱいの患者
バスタブにいっぱいの血糊
掌で払って生きるさだめ
棺桶にいっぱいの花束
一緒にあの世でどうぞとメリーチェイン投げ入れ
灰にさえなれなそうな私たち

ドローンが天空に舞って
黒いミルクを頭上に落とす
私たちは森で穴を掘る
体に穴が空いている
ドローンが天空に舞って
首なしの死体が吊るされている
私たちは黒い死体を炙る
蝋燭の灯りが落ちる夕暮れ

あの森を抜けたら
蜂蜜にありつけるだろう
あの工業地帯を抜けたら
風を抱きしめることだろう

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