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【詩】コニーアイランドの白い花

りんごの周りをたかる小蝿
痰に絡まる毛虫たち
声をなくした人は叫ぶことが出てきた

コニーアイランドの風に乗る塵
くびきから解放されているような
軽さならよかった
秋の風に乗って
その流れで喉を掻っ切る
のならよかったのに

いつだって待ちぼうけ
明けないような夜しか見たことない
いつだって待ちぼうけ
待ち人来たるは当たったことない

斃れた兵士に咲く白い花
そこにたかる虫は光をつい求めてしまう
斃れた兵士に咲く白い花
何をも求めず犀の角のようにただひとり

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