【詩】さかしまの太陽

さかしまのお札　さかしまのしめ縄
小賢しくやってきたつもりだったけど
ただの阿呆でした　そうでした
私は何も知らないし　知恵もない
踏み絵を平気で踏んで靴裏を舐めた
けど

吉田が虐待されるのを見つめていた
佐藤が砂利を噛んでいるのを見守ってた
そんな俺駐車場で猫を撫でてた
猫を撫でてた　猫を撫でてた
渡辺が金欠で3日何も食べてない
それを嘲笑ってた
加藤が人騙くらかして金を盗ってた
それをただ見てた
そんな俺アパートでセルフネグレクト

さかしまの十字架　さかしまの鐘
小賢しくやってきたつもりだったけど
ただの阿呆でした　そうでした
私は何も知らないし　知恵もない
踏み絵を平気で踏んでへりくだってきた
けど

隅田が仕事クビになったのを見つめてた
袴田がもう貯金が尽きたのを遠く眺めてた
そんな俺駐車場でブルーシート敷いた
ブルーシート敷いた
滑川が低賃金労働で過労死
それを嘲笑ってた
小早川が雑居ビルで圧死
それをただ見てた
そんな俺横から来たワゴン車に轢かれそうに

お墓とか畳の上とかはもうなさそう
お寺とか供養とかそんなのは欲しがれない

あぁ太陽がいっぱい
あぁ太陽がいっぱい