【詩】黒い手

長く伸びた影　長くなった首
ただ馬鹿みたいに待つしかできない
アホらしい祈り　アホらしい歩み
ただ馬鹿みたいに待つしかできない

村長が言う通りではなく
我々が望んだこと
戦争が終わって終わりが始まった
アスファルトに落としたアイスクリーム
這いつくばって舐めてみても

屠殺場に鳴る朝礼のベル
並んで　ほじって　後ろから撃たれる
森の中に鳴り響く笑い声
その黒い手は家族を養う