口のない叫び

喉の奥に詰まる悪臭
耳をつんざく、さわやかなみんなの笑い声
僕は口がなくなってしまった
僕は口がなくなってしまった
夕方5時半 ざわつき始める時刻
焦げ付いたのは善意のせい
体を失って初めてわかるのか 
全ては太陽のせいだとでもいうのか
豚が悲鳴をあげるのは君の指のせいさ
精算 精査 誠意 精一杯の気持ち
結局ここも限界 あばらだけの体 輝く退路
裏切りは夜道を照らす 
その裏切りが唯一輝きを得る
乾かない白いシャツ 頼りなく風に乗ろうとする
はためいて地に落ちる
横たわる冷たい火星の裏側
口がない俺の叫び

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