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2021年9月の記事一覧

揺れる思い

背中の砕かれた虫 冷蔵庫の上の鼻くそ 河原の石畳の上で 契約書が飛ばされぬよう 見つめている…

masanote
2年前
3

終わりなし

蚊が 蛾が 死骸からの液体が ささくれからの血が 創造の一筋さえ見えない 負債を返すので精一…

masanote
2年前
1

クリスタルシップ

虱がたかった空の上 端っこで項垂れて寝小便 饅頭屋も蕎麦屋を焼き尽くす太陽 糞便まみれのそ…

masanote
2年前
2

冷たいのは君か、おっちゃんの死体か

真冬の太陽の下 虱は埋葬される 饅頭とともに葬り去られる 真冬の太陽の下 虱は埋葬される …

masanote
2年前
2

花を捨ててしまった

赤子の手を捻るように 熊を射殺するように 全ては簡単さ 捻られるだけ 多分NO 多分YES 別にど…

masanote
2年前
4

ドブをゆく

ゾウリムシの如く スカラベの如く 横たわっているのをやめられないのは 誰だよ 誰 この地下鉄…

masanote
2年前
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フットスタンプ

汗ばむ体を人混みに滑り込ませて キリのいい言葉、数字 視線探す 割り切れない事ばかり やりきれない事ばかり 始めから必敗の美学を持つしかなかったのか you are my sunshine we will live forever そういうことにしておこうよ ここはとても寒いです ダブルデッカーバスに一緒に轢かれたなら それは確かに幸せなこと みんな1人で死ぬ 壁に染み込んで死ぬばかり 砂漠に立つ太陽の砦 不器用に振る舞って傷ついてゆく ガラスの窓に映るメロディー 森の

結局本物がどうかなんて

こんばんは。耳から虫が垂れています 全てくだらない草むしり 番号を刷られてただ待つ ひたす…

masanote
2年前
3

ガレー船に引かれて

造花の花束 真っ黒けっけの束 車に人知れず轢かれた者たちに捧げられる 区画整理された街から…

masanote
2年前
1

寝しょんべん

暗く新しい道 雲の隙間から垂れ落ちるよだれ 1ダースの憎しみ 嘲笑 虚しさ 対人恐怖がすぎ…

masanote
2年前
3

ドライヴマイカー

粗大ゴミを抱え ガソリンは揺れる 窓のないバックシート トランクに抱える死んだ感情 求めれ…

masanote
2年前
2

自販機の前でたむろするな

近藤の家が不仲だ あぶらとり紙がすぐ油だらけになるように その顔の形が気に食わないと 親子…

masanote
2年前
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秋も半ばを過ぎまして

頬張るミラノサンド 焼け焦げてシミになるおっさんとおばさん たくさんの事故物件 寂れたビリ…

masanote
2年前
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ラジオのように

無人のドライブスルー 夢中で駆け抜けた石畳 裸足でゆく季節 岩場をゆくさだめ 毛虫が空を仰いで死んでいる 痙攣と罵り合いの駅のホームで 逆さまに転がってゆく 剥ける親指の皮 気が違う土曜の午後 ぬれそぼったダンボールのようだ まるで腐った犬のようだ 温いジンジャーエール 温い脳みその中 死体が山を降りてゆく 山を降りてゆく すべての人はヴァンパイア すべての人はヴァンパイア 息を殺してマラソンするように 線路の上でラりるように 壊れたラジオでゆく 壊れたラジオで殺す