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はじめまして、SECI体感ラボです!

同僚との何気ない会話。ついついこぼれる仕事の愚痴。
「うちの会社ってこういうところ弱いよな…」
「もっと○○だったらいいよな、本当は○○なことがしたいんだよ」
「なるほどね。私は本当は△△をしたいんだ。」
「そうだったのか!…○○と△△、どっちも実現出来たら最高だな」
「難しいけど、もし実現出来たら今までにないすごいサービスになるよ。ちょっと真面目に考えてみないか?」
たった2人の会話から生まれた善い目的。
2人の熱意と周囲への働きかけによって、会社を巻き込んだプロジェクトが始動。
結果、業界初のアイディアが実を結び、多くのお客さまに選ばれるサービスを提供するに至った。
…この一連のプロセスにおいて、まさにSECIが回っています!

SECI体感ラボの始まり

あなたのSECIとの出会いは?

ところでみなさん、どこで「SECIモデル」という言葉を知りましたか?
会社の先輩から聞いた、野中郁次郎先生の本を読んだ、Youtubeなどの動画で見た…etc.
MBAや中小企業診断士、ITストラテジストの勉強をされていて、テキストの中に出てきた、という方もいると思います。
ちなみに、SECIモデルは「セキモデル」と読みます。
SECIモデルとは、一橋大学大学院の野中郁次郎教授らが提唱した組織的知識創造のためのナレッジマネジメントのプロセスモデルです。
個人が持つ暗黙的な知識(暗黙知)は、「共同化」(Socialization)、「表出化」(Externalization)、「連結化」(Combination)、「内面化」(Internalization)という4つの変換プロセスを経ることによって、集団や組織の共有の知識(形式知)になる
、ということを示しています。
入山章栄氏は自身の著で「この世で唯一の知の創造プロセスを描き切った理論」と表現しています。
ここでいう「知」とは、検索したら出てくる情報や本を読んで覚える知識というよりも、新しいコンセプトや今までにないやり方、今この瞬間に役に立つような実践的な「知」(イノベーションと言い換えてもいいです)を指しています。
SECIモデルでよく見られる図はこちらですね。

SECIスパイラルモデル(組織的知識創造理論)
SECIスパイラルモデル(組織的知識創造理論)

SECIモデルはファンダメンタルな理論です

例えば、「人が嫌がることは止めましょう」とか「健康的な生活をしましょう」とかとSECIモデルは似ていると我々は思っています。
至極当たり前のこと。だけれど、具体的にどうすればそれが実現できるのか?という点については、答えは1つではなく曖昧でかつ個別性が高い。
「こうすればいいよ」という明確な答えが導き出しにくい理論なのです。
そして、本を読んだりしてSECIを頭で理解しようとすればするほど、本質的なSECIから遠ざかるような感覚も持っています。
現場のSECIは教科書の中のきれいな理論ではなく、今この瞬間の動的なもの。SECIを捉えるには、頭だけではなく身体感覚すべてが必要なのです。

SECIモデルを活かす

組織(企業でもサークルでもなんでも)が存続しているということは、何かしらの形でSECIが回っていると我々は考えます。
しかしながら、「これがSECIが回っている状態なんだ」と実感することは稀なのではないでしょうか。後から考えてみたら、あの時こんな風にSECIが回っていたな?と気づく…。
でも…でもそれじゃ勿体ない!
せっかく素晴らしい理論があるのだから、これを活かしたい!
SECIモデルを「素晴らしい理論」で終わらせたくない!
意図的に活かせる知識にしたい!
この想いがSECI体感ラボの始まりです。

SECI体感ラボのMission・Vision

Mission:SECIをみんなの実践知に

今の日本社会には、言葉にできないような閉塞感、疲弊感が漂っているように感じます。
その手詰まり感の大きな要因は、個人の想いが仕事に強く反映せず、旧来のやり方に留まっていることではないでしょうか。
そこで、個人やチーム、組織に眠っている豊かな暗黙知に光を当て形式知化し、働く個人、組織、そして社会の持てる力を存分に発揮できるようにしていきたい。
そのために、「人と人とで新しい善きことを生み出す」プロセスを描き切ったSECIモデルを実践知としてみんなが使える社会を目指します。

Vision:SECIファシリテーターをすべての企業に

SECIモデルを現場に実装するためには、SECIモデルを深く理解し、SECIをベースにした場づくりが肝要であると考えます。
SECIの現場実装ができるファシリテーターをすべての企業に育成することを目指します。

Mission・Vision達成のために

SECIが回る場を体感する

SECIを本質的に理解するためには、教科書で勉強するだけでは足りません。
なんでもそうだと思いますが、レシピ本を読んでも料理は上達しませんし、ゴルフのスイングの解説動画を見るだけでは良いスイングができるようになりません。
何度も練習する中で、ある時ふと身体感覚的に、これだ!というコツを掴んでいくものだと思います。
SECIモデルに関しても同じです。
しかしながら、実際の現場の中でSECIを体験できる場は多くありません(あっても気づかないことが多い、とも言えます)。
SECI体感ラボでは、ワークショップを通じてSECIモデルを”体感”・”体験”し、その経験からSECIが回るということの本質を掴むことを大切にしています。
SECIが回る感覚を共体験することで、共同化(Socialization)、表出化(Externalization)※が様々な組織で実践される場を創り出したいと思っています。 
※表出化は、日本企業にありがちな優等生発言ではなく、本音(個人の暗黙知、コアな願い)が話されることを指します。

体感を現場に持ち帰る

一方で、「ワークショップで体感・体験したSECIが回る場を、実際に現場(会社)で実践するのは難しい」という声もよく聞きます。
ワークショップで集まるメンバーは利害関係もなく、知識や経験の差もありませんが、会社内となるとそうもいきません。
利害が対立する部署、知識・経験の差があるメンバーが集まって、1つの目標に向かわねばなりません。
そのためにも、SECIスパイラルモデルを意図的に実装できるSECIファシリテーターを育成し、日本企業に広くSECIモデルをインストールしていくことが目下の課題です。

現場の数だけSECIがある

例えば、あなたの組織でこんなことが起こっていないでしょうか?

  • 歴史があり、過去のやり方からなかなか抜け出せないが、現状を変えたい、変わりたいと思っている

  • 今は上手くいっているけれど、5年後、10年後、新しいことをやらないと立ち行かなくなることは目に見えているが、今の自分たちだけではそのエッセンスが見つからない

  • 1人1人の社員は頑張っているのに、疲弊感、報われなさがある

SECIモデルは動的なものと書きましたが、これをやればOK!という明確な答えはありません。
組織毎に異なる処方箋が必要なのです。
ヒアリング・コンサルティングによってその組織に合ったやり方を導き出し、SECIが回る組織を増やしていきたいと願っています。そうすることで、

  • 一人ひとりの暗黙知を引き出すことで、一見良さそうに見えるが実効性のない解決策ではなく、本当に組織として提供したいと思える解決策が策定できる

  • 自然とやっているけど体系立てられていなかったことが体系立てて人に説明でき、知識を伝えられるようになる

  • 思いもよらなかった新たなコンセプトを生み出すことができる

こんなことが意識的に起こせるようになると確信しています。

SECI体感ラボの未来

なぜ今SECIなのか

日本の国際競争力は、この30年で1位から31位に落ちました。
ジェンダーギャップ指数116位(2023/6/21に最新順位125位と発表されました)、幸福度ランキング54位。
エンゲージメントの低さ、転職・起業の意向の低さ、企業は人に投資せず、個人も学ばない。そして人材の競争力は下がり続けています。
日本の良さ、日本らしさを取り戻し、世界で通用する力を再び持つためには、今向き合うしかない!と強く想っています。
また、コロナ禍で普及したリモートワークによって、もともと日本的な企業にあった「場」が失われています。
結果として、日本的なイノベーションのプロセスが起こらなくなり、多くの企業が新しいことができなくなっている、なっていくことを何としても止めたいと願っています。

ありたい未来は…

「SECIモデル」というワードが当たり前に使われていて、あらゆる企業で活用されています。SECIファシリテーターは様々な企業同士を繋いで、企業の垣根を越えた協業(連結化)があちことで見られます。
「SECIサーベイ」を実施することで、SECIモデルを回すうえでの組織の強みとさらに力を入れるべきところが分かり、我々のコンサルティングによって自律的にSECIを回せる組織がどんどん増えていきます。
そして、SECIがみんなの実践知になったとき、SECI体感ラボは形を変えて、実践知として点在するさまざまなSECIを伝えていく伝道師になります。
SECIを実践するみなさんに会いに行き、話を聴き、その1つ1つのすばらしさを伝え続けます。

最後まで読んでくださってありがとうございました!
(担当:大久保)

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