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SECI体感ワークショップができるまで

SECI体感ワークショップを初めて実施したのは、すっかりオンラインミーティングが当たり前になった2021年8月でした。
あの時はまだSECI体感ラボという名称はなく、ワークショップの内容も(今思えば)粗削り。
でもとにかくまずはやってみよう!という想いで動いた熱い夏。
そこから今までの約2年間の軌跡を振り返ってみます。

プロトタイプ

”超”体験型!「はぁ」って言ったらSECIが回った?!
ゲームで体験するSECIモデル

元々は、大崎と榊原で「何か一緒にやりたいですね」と話していた中、「SECIモデルを体験できるワークショップをやってみたい」という話になり、以前榊原と一緒にワークショップを実施したことがある大久保にも声がかかって、3人でスタートすることになりました。
↓↓その3人はこちらをご覧ください。

まだオンライン上でしか話したことのない3人が、いきなり「一緒にワークショップを作りましょう」となったのです(笑)。すごい話しです。
榊原発案で幻冬舎さんの「はぁっていうゲーム」を使うワークショップの案が作られ、

それを大崎・大久保も加わって形にし(いや、形になっていたかどうかは怪しいけれど…)、SECI体感ラボの3人が所属している、SECIモデルを軸として集まっている社会人コミュニティ(SECILALAの場をお借りして、参加者若干8名で実施しました。

このワークショップの目的は大きく2つ。
①SECIが回るとはどういうことか?を意識して体験して欲しい
②SECIを自分の仕事にどう活かせるか、に繋げて欲しい


こうして見てみると、最新版のワークショップと基本コンセプトは全く変わっていないことに改めて気づきますね。
そして参加いただいた8名から賛否両論の率直なフィードバックをいただき、本格的なワークショップとして再構成。
ネクストステージへと進みます。
ちなみにこの時から所要時間2時間半のガッツリしたワークショップでした(笑)。

初期モデル リリース

ゲームで体感!イノベーションの種をまこう
~SECIモデルから学ぶチームビルディング~

初回から約3か月の構想期間(長い!)を経て、SECIモデルに初めて触れる人でも楽しく体感できるワークショップを作成。
SECILALAに留まらず、我々が所属する他のコミュニティや、それぞれの自社(我々は副業でSECI体感ラボをやっているため、本業が別にあります)に告知し、サードプレイス企画(以下ご参照)ともコラボして、2021年11月、参加者20名での開催となりました👏👏

実は…この3か月がまさに産みの苦しみ。
後のSECI体感ラボに繋がる、非常に貴重な&苦労した3か月だったのでした。

3人の価値観

詳細な打合せ過程が残っていないのが大変残念なのですが…
この3か月間の試行錯誤は今思い返しても感慨深いです。

まずもって、SECIモデルの理解度が違う、解釈もちょっと異なる。
このワークショップを通じて実現したいことも、それぞれちょっとずつ違う。
という中で、1つのワークショップを作っていくことは、想像以上に大変でした(とてもnoteで語りつくせない…)。

もしここで、他の人に遠慮して意見を言わないとか、1人で背負ってしまうとかが起こっていたら、今日のSECI体感ラボは存在していなかったかもしれません。

当然本業も忙しい中、ワークショップの構成を考え、スライドに落とし、
「これで伝わる?伝わらない?」「この部分で何を伝える?」「腹落ちするストーリーになってる?」などなど延々話し合いました。
基本的に、榊原が全体構成を考え、大崎が適宜修整しながらスライドに落とし、大久保が「これだと分からない」と突っ込むスタイル。
思えばこの頃から3人の個性が出ていました(笑)。

唯一ぶれなかったことは、「SECIモデルを体感する」こと。
理論も大事だけど、我々の作るワークショップは体感重視!
「SECIを体感」を軸にして、ついにテストタイプが完成しました!

当時の告知文はこちら

余談ですが。
完成した、というのは半分嘘でして…。
毎回アンケートを踏まえて微修正を繰り返す日々でした。
次のワークショップまでの1ヵ月間で、あちこち工事し、タイムラインを調整し、あーしたいこーしたいを言い続けて、次回を迎えるという、とんでもない労力がかかったワークショップだったのです(笑)。

大盛況!参加者の声は…

2021年11月から毎月1回開催し、計4回、延べ参加人数は80名!
アンケートでは満足度10点満点中9.6点を獲得!!
3回目にはPeatixに公開してオープン参加とし、4回目は一部有料化させていただきました(お金を払ってご参加いただけるなんて、ありがたいことこの上なしです)。
そしてFacebookにワークショップ参加者専用コミュニティも立上げて、2022年に「SECI体感ラボ」という名前を正式に使い始めました(この頃、SECI体感ラボのMission、Vision、Valueについて、何度も3人で語り合いました)。

我々は明らかに手ごたえを感じていました。
このワークショップはいける…!SECIモデルを体感してもらえるし、満足度も高い。今のところSECI体感という競合はそんなになさそう…。
そして参加者の声では、「ワークショップを通してチームメンバーと仲良くなれた」「チームの一体感を感じることができた」というものが多くあったことを踏まえて…

リニューアルモデル リリース

ゲームで体感!SECIモデル
~チームビルディングの瞬間に迫る!~

5回目にして大幅リニューアルしました!
初期モデルでは、「イノベーション」と「チームビルディング」の両方に言及する、超盛り盛り盛りだくさんな内容でした。
なので、情報量が多くキャパオーバーになられる方もチラホラ…。
そこで、参加者が感じていたチーム感に注目し、「チームビルディング×SECIモデル」のワークショップに再構築!
スライドも大幅に改定して、2022年3月から現在の形のワークショップになりました。

当然、ここに至る間にも、3人の価値観が複雑に交錯し、まさに我々3人のSECIが回る体験を何度もすることになるのでした…

SECIが回るとき

SECIが回っているときって、渦中はしんどいことも多い(SECIが回っている、なんて気づく暇もない)です。
うまく共同化が進まないときなど、なんとなぁく、場の空気が澱みます。
誰もそんなこと望んでいないし、意図していないけれど、
いいものを作りたい!と一生懸命になればなるほどに、なぜか不穏な重たい空気になっていってしまいます(こんなこと会社でもないですか?)。
誰かが意見を言うのを躊躇していたり、相手の話しを聴かずに進めてしまっていたり…。

そんなとき。
”場”を信じることができるかどうかがとても大切だなと身をもって感じました。
そこにいる人、そこで起こるだろうことに対して、何があっても大丈夫だと信じられるかどうか。
私がここで何を言っても、この場は大丈夫、壊れない、受けとめてもらえると信じられるかどうか。

勇気を持って場に投じた一石が大きな影響力になって、一気にワークショップのコンセプトが明確になり、行き詰っていた部分も納得感のある文脈にすることができました。

この3人でよかった。
異なる視点、異なる価値観を出し合える3人で本当によかった。
そう何度思ったかわかりません。

当時の告知文はこちら

余談ですが。
我々は毎回1人がワークショップの中に入って、参加者目線で体感しながらフィードバックを持ち帰る、というスタイルをとっています。
また、3人全員がどのパートも話せるようにと、敢えて毎回パートを変えて実施しています(もちろん得手不得手ありますよ)。
そのお陰もあって、修整ポイントが浮き彫りになったり、「このやり方は参加者視点でもよかった」という点が確認できたりと、たくさんの収穫がありました。

でも2時間半は長い…

えぇ、分かっていたんです、2時間半が長いことは…。
気軽に参加できる時間じゃない、人に紹介するには長い、というご意見もいただいていました。
ちょうど立教大学の西原文乃先生からも、学生向けにワークショップを実施できないか?というオファーをいただいていたので、授業時間に合わせた構成にしようと再びの試行錯誤が始まります。

90分ver. 誕生

ゲームで体感!
~意見が合わない人ほど一瞬で”超強力な味方”になっちゃう方法~

これを作ったときが、正直1番大変だったかもしれません…。
これまでのワークショップも、2時間半でギリギリ。
1分単位のタイムラインを引いて、裏で細かく時間管理をしながらなんとか2時間半に収めていたものを、1時間も削るなんて…💦

そう。つまり、ガラポンしかない。

ここは絶対言いたい、これは端折れない、でもこれだけは言いたい!
2022年8月、葛藤の末にできたのが90分バージョンのワークショップです。
時間の関係でSECIモデルの詳しい解説はほとんど入れられず、触り程度。まずはSECIモデルにちょっとでも興味を持ってもらおう、有用な理論だなって思ってもらおう、という趣旨のワークショップになりました。

当時の告知文はこちら

余談ですが。
90分ver.は、ファシリテーター1人で回せる仕様にしました。実際のワークショップもファシリ1人でやっています。
そうすると、何とか1人で切り抜ける現場対応力が養われ、ファシリしながらzoom操作もやってのける、トラブル対応も自分でやる、そのうえで時間通りに終わらせるなど、ファシリテーターのマルチタスクレベルが格段に上がりました(笑)。

リアル会場でのワークショップ

2022年後半から、リアル会場でのワークショップが一気に増えました。
ありがたいことに、大学の授業や企業でのSECIモデル活用などでオファーをいただいております。

立教大学にて西原文乃先生、ミイッカ先生と

オンラインの場合はスプレッドシートで共有、という方法をとっているのですが、リアル会場ではそうもいきません。
だって実際に人がいるんですから!
人が実際にいるからこそできることにフォーカスし、より効用が上がるようにここも試行錯誤。
それぞれの状況やニーズに合った内容でお届けするため、SECI体感ワークショップは進化し続けています!

ワークショップを通じてSECI体感ラボが目指すこと

変わらぬ想い

今存在している企業では、日々何らかの“知の創造”が起きているはずです(そうじゃなかったら企業は存続できないと思っています)。
ということは。
多かれ少なかれ、それがどんないびつな形であれ、どんなに小さいことだったとしても、あなたの組織でもSECIは回っている。
という前提から出発してみませんか?
SECIが回っていない、あれもこれもできていない、という前提ではなく、
SECIは回っていると信じて、できているところを探してみてほしいのです。
我々はそのお手伝いをしたいし、みなさん以上に、みなさんの組織でSECIが回っていることを信じています。

SECIを体験してみよう!

前回の記事↓↓でも触れましたが、

日本の国際競争力は衰え、最近ではジェンダーギャップ指数がまた下がったとニュースになりました。
できていないところばかり見ると苦しいです。できていないぞとお尻を叩かれるのも苦しい。苦しいばかりではどんなに強い意志を持った人だって疲弊してしまいます。

SECI体感ワークショップに参加した後には、「SECIが回る感覚」が身体に残ります。
その感覚をもって、思い出してみてほしいのです。
思わず話したくなるような、生涯忘れないような仕事をしていたときのことを。

きっと、「あなたの組織でもSECIは回っている」ことに気づくはずです。

最後まで読んでくださってありがとうございました!
(担当:大久保)

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