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タトゥーを入れたい理由


街を歩いていてタトゥーが入っている人を見ると
いいなぁ。と思う。

身体に模様が入っているのが格好良いなと。

小学生になるとダイソーで買えるタトゥーシールを友達と貼ってからがマイブームになりそれまでは擬きで満足していた。

中学生の頃。父はテレビでタトゥーが入ってる人を見てから『絶対に入れるんじゃないぞ』と口酸っぱく私に言う。
父の、タトゥーと危ない薬だけはやるな。は聞きすぎて耳にタコができた。

安室奈美恵がタトゥーを入れたのを見て
芸能人もテレビに出れなくなるかもしれないのにタトゥー入れるんだ。と思い母に『タトゥーって入れて良いの?』と聞くと『芸能人だから良いの。』と適当とも取れる返答が返ってきた。

ふーん。と思って私も適当に流すが、こうやって小さき頃からタトゥーと言う言葉だけ身近にあり
父と母が何度も警告をするたびに脳内にタトゥーが定着。ついには格好良いから、人と違う個性を出せそうだからなどと言う安易な理由で『タトゥー入れたいな』と思うようになった。

耳にタコは実際には出来てると思ったが出来ていなかった。

旦那が死ぬ数日前にこんな事を言った。
『タトゥー入れる予約したんだ』

旦那の趣味はダンス。周りには腕にゴリゴリのタトゥーが入った人が何人かいた。その影響かタトゥーを入れたいのは知っていたので驚かなかった。

『そうなんだ。私も入れたいな〜。入れたい模様が無いんだよね。入れるとしたら誰か大事な人が死んだ時かな。』と、なぜか聞かれてもいないのに答えていた。

入れる理由ができてしまった。

1年ほど経ってから
旦那が入れようとしていたタトゥーを入れようと思った事がある。けれどお金が間に合わずキャンセルした。

時が経ってまた予約をした。
直前になってからまたキャンセルしてしまった。
完全に怖気付いた。私がそのタトゥーを入れることで旦那に執着することを。
明るい日の当たる世界には自分の心が戻れなくなるような気がした。

そして旦那の意思が浮かばれない気もした。
これは彼が入れたかったのであって私ではない。
彼の個性であって私とは違う。

彼と私は違う。そんなの当たり前のことだ。

今入れるとするならば
ジョジョの荒木飛呂彦先生にデザインを考えてほしい。
私の人生を語りこんな人間です。とプレゼンをして
そのキャラに見合ったタトゥーを入れたい。

なんて贅沢な夢。


彼の命日を忘れないように戒めとして入れようかとも思った病み期もありました。最低ですが私は忘れっぽいのと、心の奥底にある忘れたいと言う気持ちが相まって万が一本当に忘れてしまうのが怖くて。それほどショッキングだったと言うことです。忘れるわけないですが。10歳上のお世話になった方に『あなたがタトゥーを入れることによって社会的不利を覆うのを彼は望んでいないと思う。』と言われた事も入れていない理由のひとつにあります。社会的不利益をひっくり返せるほどの実力が私には無いからです。悔しいけれど生き延びるための道を選んだ度胸のない私です。
自分を磨きます!
今日もありがとうございます!

追伸

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