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超望遠の世界


すごく疲れた。
でも学びの多い疲労でした。

G9を持って散策に。
“ちょっとそこまで” のつもりが、なんだかんだで3時間くらい歩いてしまった。

Panasonic DMW TC-20はパナライカの望遠レンズ(VARIO-ELMARIT 50-200mmとELMARIT 200mm)に適合する倍率2倍のテレコンバーター。
パナライカのレンズはMFTマウントなので35mm換算での焦点距離は表示の2倍になる。つまりVARIO-ELMARIT 50-200mmは換算100-400mmであり、そこに2倍のテレコンを装着すると換算200-800mmということになる。この焦点距離のレンズをフルサイズ機で用意するとなると小型の天体望遠鏡くらいの大きさになるけれど、MFTでは600mlのペットボトルくらいの大きさに収まる(フード部分を除く)。

今回はこのテレコンを使って撮った写真を紹介する話。



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2倍テレコンを装着するとf値が2段分暗くなる。VARIO-ELMARIT 50-200mmのf値は2.8-5.6なので装着後は5.6-8.0になる。ちなみに倍率1.4倍のテレコンであるDMW-14は1段分暗くなる(4.0-6.3)。明るさと倍率はトレードオフだ。
上の写真は夕日を機体の腹に受けて飛ぶセスナ機をテレ端の200mmで撮ったもの(ISO200 f8.0 SS1/3200)。もう少しISO感度を上げることはできるけれど、十分な光量がない場面で使うのは難しいかも知れない。



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MTF曲線を見るとテレコンを装着することによる画質の劣化は、周辺部に多少見られる程度(ということになっている)。実際に撮れた写真を見ても確かに解像感は悪くない。等倍で見ると蜘蛛の糸まで写っていて驚いた(10mくらい離れたところから撮影している)。意識したわけではないけれど、光の捉え方がなんともLeica的な感じになった。



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鵜がいたので撮ってみた。
AFは若干遅くなる気がする。鳥は難しい。超望遠では最初から被写体を大きく捉えることが難しから、ワイド端で目標を捕捉してからズームして構図を決めてフォーカスを合わせる。でも鳥はそんなことをしている間に動いてどこかに行ってしまう。この鵜だって撮ろうと思ったらすぐに潜ってしまうので、姿をちゃんと収められるまで何枚か撮った。



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いい感じに夕日の光が当たっていた鷺。
鷺は動かないので苦労しないで撮ることができた。テレコンを装着してもpower O.I.Sは有効なようで、強力な手ブレ補正が超望遠の撮影を援護してくれる。800mmを手持ちでブレなしって結構すごいことだと思う。


800mmの超望遠の世界には今までの撮り方とは全く異なる作法があった。その画角で世界を表現するには広角や標準域とは違う文法が求められた。風景を“切り取る”というより、むしろ“撃ち抜く”という方が適切かもしれない。超望遠レンズ=バズーカ砲とは言い得て妙だ。

あらかじめ“コレ”と決めた被写体を狙い撃つ。「何だか良いかも」とラフな感じで撮るものではなかった。広角側も200mmなので全くスナップには向かない。
慣れていないせいもあるけれど、被写体選びや構図決めに物凄く集中するから頭がとても疲れる。コンパクトと言ってもそれなりにレンズの重さがあるから身体も疲れた。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mmは素性の良いレンズなのでただ撮るだけでも楽しいけれど、超望遠を活かせるシチュエーションでもっと撮ってみたくなった。
あと、手持ちも良いけど三脚が欲しくなった。


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