見出し画像

僕たちは五月病を忘れられない


去年の5月もそうだったけれど、在宅勤務やリモート授業などの影響で普段から家にいることが多くなったせいか、”五月病” なんていう言葉をあまり聞かなくなった気がする。

五月病とは「4月に始まった新年度に心身ともに疲れた人がゴールデンウィークに緊張の糸が緩んだせいで連休明けの社会復帰に支障を来す症状」を指す言葉だけど、自粛に次ぐ自粛で家にいることの方がストレスになってしまうような世の中では、みんな喜んで社会復帰するのだろう。

そもそも社会復帰することが正義なのかも怪しくなってきているけれど、相変わらず毎日の通勤電車は満員御礼だ。
知り合いや仕事の関係者がコロナウィルスの陽性反応が出たといって暫く自宅待機となることが珍しくなくなってきた。幸い重症になったという人はいないけれど、明日は我が身と気を引き締めなければならない。


   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


気は引き締めるけれども、なかなか締まらないのが財布の紐だ。
カメラ界隈の人々はゴールデンウィークが終わることに抵抗するかのように連休後半にレンズを買う。
Twitterのタイムラインには通販サイトで新しいレンズをポチったり、実際に現物が届いたりという報告が溢れた。

レンズというのはガラスを通して光を集める、言わば自らの目のような存在だ。
新たな目(レンズ)を手に入れる行為が、連休が終わるという現実を見ないようにするための手段になっているのだから倒錯甚だしい。
これも立派な五月病だろう。
まったく、付き合っていられない。


画像1


そして僕の手元にも新しいレンズが届いた。


新しいと言っても、40年近く前のオールドレンズだ。
40mmという焦点距離に惹かれて手に入れた。

まだ一度しか外に持ち出して撮影していないので、このレンズの良し悪しを語ることはできないけれど、少なくともM9との相性は良いようだ。

M-ROKKOR 40mm
僕の魂はこのレンズとM9が写し出す色彩と立体感で満ちた世界を彷徨っている。
僕の五月病はまだ終わらないようだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?