#陽ちゃんおかえり記念日

このハッシュタグを見て思い出した。
今日は北山さんが復帰した日だった。

北山さんは2015年の秋頃、脳腫瘍のため手術、療養のため活動休止することを発表し、ゴスペラーズは4人で活動することとなった。

突然の発表にいまだかつてないほど騒然となったのは言うまでもない。

100%良性だし、術後の経過も良いならそこまで心配しなくてもいい。
けど、北山さんは、ゴスペラーズはどうなってしまうのか。
いや、5人で活動ができないなら、せめてグッズやCDを買う。ギャラ5割だし。
いろんな声がTwitterを飛び交う。

この数ヶ月前に、北山さんは結婚したばかりだった。こんな言い方あれだが、脳腫瘍になったのが結婚した後で良かったと思っている。

大きな病気になることは、とんでもなく不安でとんでもなく孤独だ。
そんな時に、そばで寄り添ってくれる人がいるわけだから。そう考えると、なんだか安心していた。

気がつけば #信じて待とうぜ というタグができていた。

誰が始めたかわからないが、北山さんの復帰を信じて待とうという決意の書き込みが相次ぎ、それがいつしかファン同士で励まし合う構図ができていた。これぞファンの愛。

後で知ったのだが、北山さんもこのハッシュタグを見ていたそうだ。

テレビで4人で歌うのを見るのは正直つらかった。
1人いないだけでこんなにも違うのか、5人でいるのは当たり前ではなかったんだと思い知らされた。
自分ができるのは5人揃うのをただ待つのみだった。

およそ半年後の2016年3月13日の朝。
「本日の音市音座にて復帰します」と公式と北山さん本人から発表があった。

信じられなかった。けど嬉しい。
少なくとも一年は待つかと思っていたのに。

なんだか落ち着かない気持ちで会場へ向かった。

北山さんがステージに現れた時の歓声は今も覚えている。病気をしていたとはまったく思えない元気な姿で、私は呆然としてしまった。

客席に手を振る北山さんに、おかえり！おかえりなさい！とたくさん声が飛ぶ。

ああ、本当に帰ってきたんだ。おかえりなさい。

Twitterでは#北山陽一復活祭のタグができ、大いに盛り上がった。

あと思い出したのだが、この日はKANさんも出演していて、「愛は勝つ」を皆で歌ったな。
満面の笑顔でピアノを弾きながら歌ってたKANさんも昨年亡くなってしまって、この時が生歌を聞けた最初で最後の時だった。

メンバーも50代になったし、この先どうなるかわからないけども、とにかく健康であってほしいと切に願っている。