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<花便り>大神神社の笹百合

葉が笹の葉に似ていることから、笹百合と呼ばれています。
「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」に登場するユリはおそらくササユリであろうと言われています。昔はごく普通に里山と言われる場所、普通に存在していた場所の里山にピンクのキレイなササユリがあったからです。女性に百合の名をつけることも多かったようです。
※top画像は大神神社に咲いていたムラサキカタバミ

16輪咲きのササユリ

好んで咲くのは、暗めの森や林というような場所ではなく、明るい草原、野原というわけではなく、その中間あたりの里山という場所です。花は太陽の方向というよりは、その生育環境での明るい方向に向ける傾向があるようです。ひまわりは最後に東を向いて咲きますが、この花は環境が合うと沢山の花をつけるようです。

大神神社のササユリ

ササユリ(笹百合、学名:Lilium japonicum)は、ユリ科ユリ属の球根植物。日本特産で日本を代表するユリである。地域によっては、ヤマユリと呼ぶこともある。」分布は主に、本州中部地方から四国、九州地方にかけて、関東地方ではあまり見ることはない。野生種は種から開花までに7年以上を要するが、病気に弱く、人による盗掘、伐採もある。地域により凖絶滅危惧種に指定され、また地理的変異種も多い。

ささゆり(大神神社ささゆり遊歩道)

今日、大神神社でお会いした女性からイシマササユリの話を聞きました。
イシマササユリ(伊島笹百合)は、徳島県阿南市の離島・伊島の海岸近くに自生している品種で、開花時期は5月下旬から6月上旬で大輪の淡いピンク色の花をつけます。

百合の花びらは6枚あります。植物学上、正確には、<内花被(ないかひ)>と呼ばれる花びらが3枚と、<外花被(がいかひ)>と呼ばれる、はなびらと同形に成長したガクが3枚です。合わせて6枚の花びらで構成されています。

ささゆり(三枝)

また、この内側の<花びら>を支えている外側の<ガク花>が、同長ではなく、ガクがササユリのように花びらより短いと、ガクの圧力(密着)により、その花の開花、生育に合わせて外側に花びらが徐々にカールしていきます。百合の花でカールするものとしないものがあるのは、<花びら>より<ガク花>が短い品種、または<ガク花>の<花びら>を引く力が強いものです。

オニユリ

また、スカシユリのように、<花被片の付け根部分>が細く、<ガク花>が<花びら>を引く力が弱いと、あまりそり返りません。スカシユリはその花の付け根あたりに、<隙間>が見えることから「透かし」百合の和名があります。<花びら>を支える<ガク花>の力が強いほど反り返りも強くなるようです。

透かし百合

考えて見ると、花びらを<3枚>で構成するのは、物理的に、<見た目的>に百合らしくなく美しくなく、たいていの花は<4枚か5枚>かそれ以上ですよね。あやめ、カタバミ、ツユクサとかは3枚が多いですが、百合が、その花そのものの<美しさを追求した時>に、3枚しかない<花びら>のために3枚の<ガク花>が同じ形になって、花をより美しく見せる、構成するためであり、やさしさ、思いやり、物理的な安定感を求めた結果だと思うのですが。

花そのものが美しさを求めた、それが百合である>と思います。

ここ最近は園芸品のささゆり(球根)を販売しているところも増えたようです。人が種を採取して種から育てることはいいことだと思います。花は人とともにあると思います。昔は盗掘したものを売っているとかで物議を醸した時期もありました。改良されて、病気にも強くなって、ピンク以外のキレイな色の花も見てみたいですね。黄色のササユリと真っ白なササユリができたら見て見たいです。

君がいて
ほほえみかける
君がいて
風にそよぐは
夏のやさしさ

遊歩道のささゆり

ご視聴ありがとうございます


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