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越美北線減便?(メモ)

Twitterだと流れてしまうのでメモとしておいておく


>JR西日本、秋のダイヤ改正で越美北線の減便検討 対象は全体の8割相当(福井新聞 2021年5月20日 午後5時00分)

> 越美北線の減便の検討対象は、福井―越前大野間の18本のうち乗客数が少ない12本と越前大野―九頭竜湖間の全9本で、全体の8割近くに相当する。確定ではなく、効率的な車両運用などを検討した上で方向性を取りまとめ、7月に公表する予定。

> JR西は、大野市と結ぶ乗車券類の委託販売契約を解除する方針も示している。実施されれば九頭竜湖駅で発券機能がなくなる。

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内容としては「聖域なき運行見直し」と言った所に思われる。

越美北線は福井県のローカル線である。かつては山嶺を突き抜けて岐阜県の方へ抜けようと画策されたが実現せず、福井側(越美北線)と岐阜側(越美南線→長良川鉄道)で、行き止まり線が運行を続けている。
あくまでも「減便の検討対象」と断られているものの、末端の越前大野~九頭竜湖間では運行する全ての列車が見直し対象となるなど、相当利用の落ち込みが深刻な事が伺える。

「全列車運行取りやめ」というのは、過去に国鉄時代の北海道・士幌線の末端(糠平~十勝三股)であまりにも利用者が減ったためバス代行を行った例があり、あながち無い話とも言えない。


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乗降客数のデータが無人駅含めて公開されていたのでまとめた。
「越前花堂」は北陸本線との合流駅、重複カウントされていると考えれば目立った駅は越前大野、越前東郷の2駅しかない。

現行ダイヤと、減便推定ダイヤ

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現在の運行ダイヤと、「減便対象として検討される、利用が少ない列車」について推定したものをまとめたもの

見れば分かるように、利用の主役は「福井方面へ通学する高校生」と思われる。
越前大野にも高校があるため、逆方向に多少は利用があってもよさそうなものだが、全く考慮されていない。

駅から学校が離れているのも大きいと思われるが、美山→越前大野にはスクールバスが設定されている模様


効率的な車両運用などを検討」とあるように、利用や少ないからと言って、反対方向の列車を全て無くすわけには行かない。

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そのへんを考慮すると「減便後の推定時刻表」はこのようなイメージと推定される。

過去から現在に至る運行状況

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手元の時刻表から、福井駅からの時刻表変遷を追ったものである。
美山→越前大野で通学に使えそうな列車が消えたのは比較的最近のようである。

かつては行楽を考慮した快速が運行された時期もあった。

しかし全線単線で、行き違いが出来る駅も限られるため、いずれの時期でも本数が爆発的に増えた事はない。
かつては越前東郷も交換駅だったが廃止されたため、越前花堂側から入った列車は延々30分走った美山まで来ないと交換が出来ない。

皮肉な事に、建設が遅かった末端側の越前大野~九頭竜湖は1時間程度で往復できるほど、距離のわりに線形がよい。
1時間に1本程度しか走れないため、国鉄末期~JRの一時期は「終点まで行ってしまおう」的な運行が行われた形跡も見られる。

なお、京福バスによるバス路線が大半の区間で並走している。本数は1~2時間に1本。

その他

越美北線の開通は比較的あたらしく戦後の1960年。70年代に入って九頭竜湖までが開通し現在の姿となっている。

現在のえちぜん鉄道(当時は京福電鉄)が勝山から大野まで伸びていた時期もある。本数は越美北線開通時で30~60分毎と頻発していたものの早い時期に廃止に追い込まれている(経営悪化。また狭小トンネルを抱えており不利だったとも)。大野~福井は所要時間(74分、越美北線は60分)の面でも不利がみられる。

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