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久留里線末端の営業係数が15546らしい

数字が大きければいいというものではない。
これは「100円稼ぐのに1万5546円かかっている」という事である。超・大赤字である。

先日公表されたJR東日本の「利用者の少ない路線」データについて少なからず衝撃が広がっている。


久留里線とは


千葉県の木更津駅から分岐する典型的なローカル線である。大赤字を叩き出したのは、その中でも末端区間である。
しかし、より深刻なのは「本体」とも言うべき木更津~久留里間でさえ営業係数が1200に達してしまった点である。100円稼ぐのに1200円かかっており大赤字である。個人的にはこちらのほうが問題に思える。

木更津駅に到着した朝ラッシュの久留里線。学生が大挙下車していく(筆者撮影)

上記写真を見れば分かるように、利用者が居ないわけではない。

どうしてこうなった


簡単な考察を行う。

木更津駅発の時刻表

上記は概ね20年ごとに抽出した久留里線の時刻表である。見れば分かるように、本数自体は大して変化がない。何が変わったのかというと

・両数が削減された
・久留里~上総亀山間の運行が削減された

概ねこの2つである。その他に無人駅の拡大やワンマン化等も行われている。


その他に考えられる利用者減少の要因としては・・・

・木更津駅周辺の求心力減少
→郊外ショッピングモールの興隆により駅前型店舗が相次ぎ閉店、空洞化

・直通高速バスの運行
→久留里線沿線には「アクシー号」と呼ばれる東京方面直通高速バスが概ね1時間に1~2本走っている

・スクールバスの運行
→例えば下記のように、私立校などは学生を集めるために鉄道路線網もビックリのスクールバスを運行している

などが上がる。「マイカー社会」「少子化」は大前提に思うのでここでは触れない。

まとめ

久留里線がどうこうというより、取り巻く環境が大幅に変わってしまい、ついて行けてないような状況。鉄道は走るルートを簡単に変えられないため、変貌を遂げる街の構造や人の流れについていくのが難しい。

本数自体は木更津~久留里間で概ね1時間1本ベースという最低限の設定があり、問題の末端区間ですら8.5往復と(利用実態からすれば)かなり多い方であるから、利用者掘り起こしの余地が無いわけでもない。
今後お手並み拝見という所だろう。

個人的意見

目的地となる場所(バイパス沿い、SC等)へ向かうバスとの結節を強化すれば多少なりとも利用は増えそうなものなのだが、乗換の手間を考えると直通のほう望ましいし、鉄道で維持する必要があるのか?ともなってしまうジレンマがある。





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