脳と穴と器の大きさに限界があるので派閥争いがなくならない

いままで人生をやってきて感じ取れる、社会の構造についての所感。

ある界隈Xにおいて、派閥a派閥b派閥cが分かれているとして

タイプ1. ある程度いろんな派閥を知っていて、「だけど自分はその中でココかなあ」と所属しているタイプの人。
タイプ2. 「自分の属する派閥のことしか見えない 最高。他はあり得ない」の視野感で邁進するタイプの人。
タイプ3. タイプ2のうち他派閥を攻撃する人

界隈Xが「表」で、派閥が「縦軸」、タイプが「横軸」をイメージしてください。その表の中のどこか1つのマスに収まることになります。

$$
\begin{array}{c:c:c:c} \textbf{界隈X} & \textbf{タイプ1} & \textbf{タイプ2} & \textbf{タイプ3} \\ \hline 派閥a & あ & い & う \\ \hline 派閥b & か & き & く \\ \hline 派閥c & さ & し & す \\ \end{array}
$$

この世のすべてを俯瞰することは不可能なので、誰しもその性質を持つと思いますから、単にほかの派閥の存在を知らないだけか、聞いたことはあるけども自分に合わず眼中にないとか。タイプ1の人にだって知らない派閥はありますから、タイプ1とタイプ2は地続きのグラデーションと言えます。
タイプ2の人はあくまで俯瞰が弱いだけであって、自分が好きな派閥のことだけを語ることにリソースをつぎ込んでいるだけだと思います。ほとんどのケースで。
他派閥の人が「自分の派閥への言及がないな・・」とか「なんか雑に扱われた」みたいに感じることも発生するでしょうけれども、その人がタイプ2かタイプ3を見極めた方が良いと思います。タイプ3でない限りは事を構える必要はないでしょう。むしろ、相手がタイプ3でないのに事を構えると、あなたの方がタイプ3になってしまいます。早とちりですね。

 TPOによってタイプや視野感を使い分ける事も必要でしょう。
知り合いだけの身内のTPOであれば自派閥だけの話をしていてOKですが、不特定多数の人が対象で、複数の派閥にまたがる可能性があるようなTPOの場合は、視野を広めにしたタイプ1の言動をしたほうが無難ですね。そうでないと他派閥に対して角が立ちます。「社会性フィルター」や「二枚舌外交」、「リップサービス」とも言いますが・・・。




実例を挙げると。メタバースやVRの界隈に於いて、
「リアルアバター(生身の体)を写実的に再現したアバターを持ち込みたい派閥a」と
「アニメキャラクターみたいなアバターでやりたい派閥b」

もともとの会社の成り立ちから必然的にFacebookはリアルアバター志向の派閥aと言えます。Quest2が発売直後にFacebookアカウントを必須化したのは、ほぼタイプ3寄りのタイプ2の態度だったと言えるでしょう。


「せっかくバーチャルなんだから、リアルと関わらせたくない。本名を出したくない」という派閥の存在の認識と尊重がすっぽり抜け落ちていたわけです。
しかしその後社名を変更し、考え直したのかFacebookアカウント必須化は解除されたMetaアカウントとなりました。つまりMeta社はタイプ1になり、より多様な派閥を受け入れ可能なメタバースプラットフォームになったと言えます。ビジネスする上でパイは大きい方が良いですから、経済的合理性もありそうです。それに派閥bはわりとカネ払いの良い上客です。

派閥bがどれくらい上客かというと、VRChatで日本リージョンのサーバーが用意される程度には。

以下のケースは、派閥aタイプ2 vs 派閥bタイプ2みたいな構図ですね。




この界隈はあくまで一例に過ぎず、あらゆる界隈に於いて同じ構図が発生します。おそらく人間の認知できる観測範囲に限りがある以上、必ず発生してしまう構図なのかな~とは思います。短期記憶やワーキングメモリーみたいに。

他には例えば、国民皆保険制度はそもそも社会主義的な思想と言えます。その恩恵に我々は与っているわけですね。また、政治思想の名称を冠している政党が、必ずしもその思想だけでやっているわけでもないです。様々な政治思想の派閥のいいとこどりになっているわけです。

穴の穴のデカイ人間になりたいものですね。