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10才でしつけを終了した話

娘は、昨年10月で10才になった。
10才になるまで言い続けていたことがある。
思い続けていた事がある。
「10才でしつけ終了」

何から何までが「しつけ」なのか?
その人によって違うから、なんとも言えないし、私自身しっかりとしたこれというものはないので、むずかしいところだけれど、

今までは、娘が困らないよう、失敗しないよう、フォローしてきた。特に時間に関して。

いっしょに計画表を作ったり、ホワイトボードで大体の目安の時間をいっしょに考えたり。

ネットで検索してはありとあらゆる方法を試したつもり。それでも残りあと何分とわかっていても、とにかく時間を気にしない。

やりはじめても、別のことをしはじめたり、止まってぼおっとしたり、弟がみてるYouTubeに夢中になったり、「やらなきゃいけない事」がなかなか終わらない娘に、私は口をすっぱくなるほど「時間だよ」「止まってるよ」と言ってきた。

そして終わる時間が読めないので「やる事終わってから」しか、YouTubeなど「やりたい事」をお預けにしたりもしていた。

集中できないからリビング学習向いてないのかなと、隣の部屋に学習机を置いたりしたが、効果なし。

椅子には座るのだけれど、消しゴムやえんぴつが遊び友達になってくれるらしく、一生懸命消しゴムのカスを作ったり、鉛筆で爪を塗ったり。おそらく学校でなら10分もかからずにやってるものを1時間かけたりするので、学校の準備も含めると2時間かかったりしていた。口がすっぱくなるほど言ってやっと1時間半。

宿題が終わらなくて困らないように
朝遅刻して困らないように
将来困らないように

とにかく、自分の課題のように、娘の「宿題」「持ち物準備」や「時間」を気にしてきた。そして思い通りにならない娘にイライラしていたと思う。「あなたのため」や「このままだと終わらないから不安」を押しつけて。

そして「こんなに言うのは10才までだからね!」と言ってきた。

10才になった。

手紙に「これでしつけは終了です。あとはたくさん失敗して考えたり、一緒に悩んだりしようね。」と書いた。

私は、口を出すのをやめた。
「宿題いつやるの?」も、「時間なくなるよ」も、「早くしなさい」も。

「やらなきゃいけないこと」「持っていかないといけないもの」「先にしないと困るもの」「娘のタイムスケジュール」を自分の頭の中の付箋から取り外した。

はじめの1ヶ月は、自分の「すぐ口を出す癖」「見てみぬふり」に苦戦した。
付箋をはずしたつもりで、未練があった。
なんとなく「心配」なのと、困る=わたしが面倒になるから。

例えば、夜寝る前くらいにプリントを渡される。とか。宿題が終わらなくて困ってる娘につきあわなくちゃいけない。とか。

娘は、「ママ、10才になったら言わなくなっちゃうんだよね?」と「言われないことの不安」を10才になる前には言ってたが、実際言われなくなるとすごく解放的になった。

1日目は、学校から帰って好きなYouTubeをみて、漫画を読んで、夕飯を食べてお風呂に入って。

20時になっていきなり集中モードになって、
30分もかからずに宿題を終わらせた。
明日の準備を含めて1時間。

あれ??私が言わないほうが、やれるの?
初日はそんな感想だった。

本人もそう思ったのか、「私言われなくてもできるじゃん」と安心しすぎたらしく2日目3日目は、
20時半すぎても宿題をはじめない。時計をみない。

その分、寝る時間も遅くなるし、
寝る時間も決めてなかったので、
22時、23時になった。
私も久しぶりに夜ふかしをして漫画を読んだり好きなことに時間を使った。
(今までは、9時半には家族全員寝室に行っていた。)

さすがに20時半を過ぎると「宿題だいじょうぶ?」と声をかけ、「あ!やらなきゃ」となることもしばしば。「おわらなーい。やりたくなーい」となることもしばしば。

そりゃそうだよね。YouTubeや楽しいことだってパワー使うんだもの。寝る前のヘトヘトな時にやるのは大変だよね。

「学校帰るときは帰ってすぐやっちゃおうと思うんだけど、帰るとくたびれててまずはYouTubeって思っちゃう」その気持ち、すごくよくわかる。

ご飯のときも、娘がごはん中に肘をつくことが気になって「肘!」「肘!」言っていたのをやめた。
ついていても、ついてるなぁと見るだけにした。
いつのまにか、娘は肘をつくのをやめた。

2ヶ月くらい様子をみて私は、「時間だけは最低限ゆるく縛る」ことにした。

•17時でYouTubeとSwitch一旦終了。
やる事おわったら(お風呂、宿題、夕飯、歯みがき)また見てOK。
•夜は9時でYouTubeもSwitchも終了。寝室で絵本and読書タイム(4才息子も同じ)そこで宿題がおわってなくても終了。

今までは「これが終わればYouTubeみれるよ」など、にんじんをぶら下げた状態で娘を頑張らせようと、声をかけまくっていたが、言えば言うほど、やらない。他の事で遊んでしまっていた。

それが、「何も言わない」「気にしない」「信じて待つ」勝手に私の宿題にしてイライラしない。

それをしてみたら、3ヶ月、そして半年で娘はどんどん変わった。

自分で考えて動けるようになった。
そのときの自分のやる気や体調にあわせて、
先にやったり、後回しにしたり。
宿題も内容によってやっぱり2時間かかるときもあるけど。

やっている時間やタスクだけ書き出せば、
口をすっぱくして言っていた今までとそこまで大差はない。けれど、

同じ事をしても「ママに言われるからやる」のと、
「自分でやろうと思ってから動く」のじゃ大違いだと思う。そして、

「ママに言われるストレスを浴びない」
「娘をみてイライラしない。ストレスがたまらない」

これはものすごく私を楽にさせた。同じ家にいるもの同士がイライラせずにいられるってやっぱりとても大事だ。優先順位1番だ。

私自身も、はじめは「言わないでいる」ほうがストレスが溜まったし、「見てみぬふり」も疲れるし、数は減らしたつもりでも、つい言ってしまうこともあった。

が、3ヶ月、半年と過ぎていくにつれ、少しずつ楽になっていくのを感じた。私自身が「言わないと不安」の呪縛から抜け出せつつある。

7ヶ月たった今は、5時と夕飯と9時の時間のお知らせ以外は、ほとんど娘のスケジュールは気にしてないし、前が120%だとすると今は10%くらいになったと思う(それでもまだ言ってるよ。目で訴えてるよと娘は思うかもしれない)

「今までが言い過ぎだったんじゃないの?」
「今までが構いすぎだったんじゃないの?」

と言われればそうかもしれない。
ただ、いろんなところに気がいっちゃう。私とよく似た散漫力過多な娘。家にたっぷりいる専業主婦の私。

そして「宿題は常にそばでずっと見ててほしい」
「宿題の時間はママが叱るも含めて自分をみてくれる」そんなかまってほしい娘と私が納得するのには、「10才まで」は適切だったんじゃないか。

習い事も3年生の春まで週5でやっていたので、その中で宿題を1人でこなすのは、娘には難しかったと思う。

2年生まで通学班の集合場所まで一緒に行かないとダメだった娘は、(親が朝くる人はうちだけだった)たぶん2、3年くらい周りの子より自立がゆっくりな気がする。

今は、「ママが言わないほうがやる気になる」とまで言って、さっさと夕飯を食べて好きな事の時間を増やしてる。(夕飯も1時間から1時間半かかる子だった)土日早起きしてYouTubeを見たり、気がすむまで寝ていたり。

宿題も、2階の自分の部屋にこもってやったり、
ダイニングテーブルでやったり、
その時の気分に合わせてかえてみたり、

あ〜できるんだ〜楽になったなーと思ったら、息子が4才すぎてから「今度はボクの番!」と言わんばかりに手がかかるようになってきた。今までも楽だったわけじゃない。さらに拍車をかけてきた。

「自分で!」と「ママやって!」がコロコロかわる。ご飯でうろちょろする。しゃべって食べない。箸を投げる。たたいてくる。いきなり飛び乗る。とにかくひたすら「ママー!」と言ってる。なにかにこだわっては叶わないと泣く。

こんな時代あったなー。これも10才まで。と思って懐かしくもあり、それでも面倒だなー大変だなーと思いながら、日々を愛しんでる。


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