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金縛り あの世に連れていかれそうになった体験

金縛りは数え切れないくらい経験しています。

一番最初になったのも覚えています。
幼稚園児の頃、仰向けで足首を交差する形で寝ていて、その脚を動かしたい、と思ったけど、動かない!どうやっても動かない!
翌朝、母親にそんなことがあったことを話すと、脚を交差したからやろ…と、気のない返事が返ってきました。それから当分、脚を交差させずに寝るように気をつけました。

金縛りから恐い体験をしたのは、高校生の時。
寝ていたら金縛りになって、何かが近づいてくる気配が…
猫でした。猫は飼っていません。
どこからともなく現れた猫が、ゆっくり近づいてきて、そのままベッドの上に乗って、僕の足元からゆっくり一歩ずつ顔の方に…  猫の脚の体重移動を羽毛布団が克明に伝えてくれました。
脚…腹…胸…あと一歩で顔!
んがーーー!
顔に達した時、良くないことが起きそうで、必死でもがいて、すんでのところで金縛りを解きました。
暗がりの部屋を見回しても、果たして猫は居ませんでした。

次に覚えている金縛りからの怖い体験は、19歳の時。当時、上海に留学していた僕は、やることがなさすぎて、よく寝ていました。持て余した時間を消費するために寝る、そんな感じです。ただ、寝過ぎていたので、なかなか寝付けないのもあってか、金縛りによく遭いました。
その日も寝付きが悪かったように思います。
やっと寝れたと思ったら、金縛り。またか…。手足の指先から動かす努力をすると解けやすいくらいのコツを、この時期くらいにはマスターしていたと思います。
指先に命じて、動け!と念じていると、部屋の天井から、ヌーッと手が出てきました。肘から先くらいまで伸びて来たその腕は、節くれ立って、筋肉質で、一見して男性の腕とわかるものでした。
男性の腕とわかった瞬間、なぜかその腕が、前の年に亡くなった叔父さんの腕だと思い、僕も手を伸ばして握りました。
母親の姉の旦那さんであるその叔父さんは、自分にも、僕と同い年くらいの息子が三人いるのに、僕のことをすごく可愛がってくれました。
上海に発つ少し前に心臓発作で急死した叔父さんは、寝てばっかり居た僕の夢にもよく出てくれて、泣きながら起きることが何度かあったくらい、僕も大好きでした。
手を握った時も、涙が溢れて来ました。
でも、次の瞬間、その腕は強い力で、僕を上に引っ張ろうとしました。
あかん、あの世に連れて行かれる!
そう思った僕は抵抗しながら、あかんねん、叔父さん!俺、まだやりたいこといっぱいあるねん!連れて行かんといて!お願い!あかんねん!
そう念じて居たら、ふと、金縛りも解け、寮のベッドの上に、居ました。
流れた涙を拭いながら、数分間、茫然としました。

他の金縛り体験も、思い出したら、また書きます。

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