プログラミング教育について その2

中世、大航海時代と呼ばれた時代があった。

マゼラン、バスコガマ、コロンブスなどの
ヨーロッパ人による、アジア・アフリカ大陸
の発見、そして地球が球体であることが
証明されていった。

コロンブスの卵の逸話が本当だったか
どうかは定かではないが、斬新な発想と
勇敢な行動が、新たな時代を切り開いて
いった原動力となった。


ざっくり、このようなイメージが一般的
かもしれないが、現実はもっと経済的
な動機やまた学術的、算術的な技術開発
の融合によってもたらされているという
側面はあまり”歴史”として伝えられて
いないように思われる。

それはどういうことかといえば、
経済史的に言えば、当時、ヨーロッパを
中心に大流行した疫病のペストの薬と
して、インドなどで生産されている香辛料
を求めたいという動機があった。

香辛料を手に入れるためには、トルコ
経由の陸路が唯一であり、時間とコスト
がかかるうえに、多くの需要が高まった
ことで価格が高騰している。

価格が高騰したことにより、新しい
物流網を開拓する”投資”は、十分に
回収できた。なぜあの時代だったか?
という理由の一つがそこにあった。

そして、もう一つ見逃せないことが
航海への幾何・算術の導入である。
それはでは、航海の技術は、特定の
人々の経験知として継承されていた
技能集団だけがなしえた業だったと
思われるが、そこに”投資”された
のが幾何・算術だった。

特にかなりの長い距離や移動日数を
予測するために、近代的な地図が
作成されいき、さらに、算術には、
logや対数といった、今でいう高校の
数ⅡBあたりの知識を駆使しており、
事実、この当時、対数表がバカ売れ
していた。

こういった幾何・算術といった航海
技術とは一見関係ないものから、
経験からでは全く考えられなかった
ものを予測できたことにより、大陸
の発見につながっていった。

これを現代に当てはめて考えてみると
AI技術+ドメイン知識(経験知)
の融合によって、未知の領域へと
飛躍できる一歩を先取りできるのだと
思われる。

しかし、こういったことをまじめに
取り組もうとしている人は一部の
技術者と投資できる大企業に現局されて
いると思われる。

なぜなら、AIと聞くだけでものすごい
装置と英知が必要なんだろうと勝手に
思い込んでしまっているからだと思う。

大航海時代と異なる点は、情報は
特定の人たちだけが独占されたもの
ではなくなっており、インターネット
でかなりのものが取得でき(理解できる
かどうかは別として)、計算は
手元にあるパソコンでできてしまう
という点だ。

だからといって簡単なことではない
とは思うが、かといって大規模な投資
や人命を掛けなければならないという
ほどがなく、圧倒的にリスクや初期
コストが低い。

であるならば、ディスプレイにはダイヤ
の原石が眠り、キーボードがそれを
磨く道具であると思い、チャレンジ
できるかどうかで未来は変わっていく
と思う。

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