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【RX】18~22話

第18話「怪! 夢の空中遊泳」

 ムササビになって空を飛ぼうの回。洗脳による集団自殺の教唆、なんだか往時のカルトが連想されてぞわぞわする。
 前話で茂やひとみたちとともにめでたく地球へ帰還した霞のジョー、ちゃっかり光太郎たちの近くで新たな生活を始めたようだ。失われた記憶を取り戻すより、アニキと慕う光太郎と共にクライシスと戦うことを選んだ模様。光太郎に輪をかけて気のいいあんちゃんなので、子ども受けも抜群である。「霞流拳法」に「霞網」ときて、つぎはどんな霞グッズが出てくるのかわくわく。


第19話「恐怖の人工太陽!」

×時空転移装置 → 〇次元転換装置 専門用語ムツカシイネ!

 前回の次元転換装置はGクリスタルを動力源としていたが、今回の装置はエレニウム鉱石を利用予定。エネルギー供給に関する部分を取り換えればハイ完成、というわけにもいかなさそうだ。亡命の際サム博士が設計図など持ち逃げしたのかもしれぬ。

 一度はゴルゴムによって滅ぼされかけた日本である。今更太陽が二つになったところで、慌てても仕方ないと高をくくっているのかもしれぬ。しかし都会はよくても第一次産業には大打撃では……。クライシスがそこまで考えているわけでもなかろうが、不作・不漁に陥らないことを願うばかり。


第20話「バナナを喰う鬼」

 クライシス皇帝が住まう黄金の宮殿を立てるために銀行から金の延べ棒を強奪しつつ、それによってRXをおびき出し始末しようというクライシス側の一石二鳥作戦である。これ見よがしにへんてこな遺留品を残すことで光太郎に疑念を抱かせることに成功しているわけだが、それって「我々はトンチキな事件を起こす集団です」と自白していることにならないか……?
 わざわざ霞のジョーのバナナたたき売りに現れて金貨を支払うビャッ鬼、あからさまに罠なのだが、あからさますぎて光太郎たちより先に茂たちがひっかかってしまう。光太郎を呼び寄せるための補強材料になったから結果オーライと言うところか。
 館に紛れ込んだパパさんを担ぎ出す霞のジョーのアシストが光る。仲間がいるというのはこんなにも心強く助かるものなのだなあ、と感慨深い。


第21話「愛と友情の戦線」

 地球に亡命したゲリラたちが組織化するのを防ぐため、そのリストを持ったセーラをあえて地球へ送り込むクライシス。セーラにくっついていれば、自動的にゲリラの仲間たちのところへ案内してくれるというわけである。彼女が乗ってきた異次元移動装置は、地球への到着と同時に大破してしまった。壊れてしまった装置について、セーラは特に何の感慨もないようだ。元々あちらへ戻ることなど考えていない、片道切符の過酷な任務と捉えていたのであろう。
 かつて結婚を約束していたジョーとセーラは再会を喜ぶが、不穏な気配を感じた光太郎がそこへ水をさす。だが、セーラが疑われていることに腹を立てたジョーは、「あんたなんかアニキでも友達でもない」と光太郎へ背を向けてしまう。光太郎はひどくショックを受けて、その後姿を見送るしかない。
 佐原家に居候するようになって、人が変わったように明るくなった光太郎だが、その心中には依然と変わらず、信彦への重い感情が渦巻いている。それを悟られぬよう、殊更陽気に振る舞っていたのかもしれない。
 ガロニア姫にされかけたひとみはシャドームーンにされた信彦の鏡写しだが、光太郎の手によって洗脳を解かれ、敵から救い出された霞のジョーもまた、信彦を思わせるキャラクターである。かつて信彦とボール遊びをしたように、光太郎とジョーはサッカーに興じている。シャドームーンの洗脳を解き信彦を取り戻す、ありえたかもしれない夢を光太郎は見ている。だからこそ、ジョーの拒絶は光太郎を大いに動揺させたのだ。
 セーラの影からバングゴングが現れたことでジョーの誤解は解け、二人の友情は復活する。世界へ旅立つセーラを見送り、ジョーは引き続き光太郎とともにいることを選択した。すべてが終わってセーラが戻ってくれば、ジョーは今度こそ彼女と生きていくことを決意するかもしれない。その頃には光太郎の世界ももっと豊かに、深く広がっていればよいと思う。


第22話「シャドームーン!」

 シャドームーン、生きていたのか……!!!
 サタンサーベルの消滅と共にシャドームーンもこの世を去ったと思い込んでいたのだが、そこは光太郎と同じくキングストーンを体内に有していただけあって、そう簡単には死ぬことすらできないようだ。ただ、シャドームーンのキングストーン自体はブラックが破壊した(記憶が確かなら……)はずなので、この錆びたシャドームーンはあくまでもかつてシャドームーンであった者の残骸、なれの果てなのである。創世王が消え、ゴルゴムが無くなり、シャドームーンは生きるための目的を失った。「かつてのシャドームーン」が死んだとき、その依り代であった信彦もまた死んだのであろう。彼に残されたのはライダーを倒すという本能のみ。クライシスと契約を結んで(補給やバックアップを任せるのだろうか?)、霞のジョー並びにRXを討ち果たさんとする。
 ぽっと出の癖に将軍の信頼厚い新入りに対して、隊長たちは面白くない顔を隠そうともしない。特にゲドリアンは、直前に配下のアントロントが返り討ちにされたこともあり、自分の地位が揺らぐのではないかと戦々恐々だ。帰還したアントロントをさらに強化し、RXもろともシャドームーンを倒してしまおうと画策するが、ライドロンの果敢な体当たりによりその目論見は破れる。
 ところでアントロントの攻撃について、冒頭の保育士の描写から人体を砂へ変えてしまうのかと思いきや、どうも吹き付ける砂で埋めていただけだったようだ。アントロントが一時退却したとたん、倒れていた人たちは砂を払って息を吹き返す。窒息を狙っているのかもしれないが、なかなか冗長な攻撃である。

 シャドームーンのビームを浴びた霞のジョーは体内の生命維持システムをロックされ、傀儡となって光太郎に襲い掛かった。光太郎とシャドームーンの戦いののち、そのロックは解除される。ジョーは「いいとこあるんだな、あの銀色オバケ」などと暢気だが、光太郎は「助けたんじゃなく、お前の命に興味がなかっただけだ」と激しく否定する。まるで自分に強く言い聞かせるような口ぶりで、「シャドームーンには優しさなど残っていない」と繰り返す光太郎。もしひとかけでも人間らしい心をシャドームーンに認めてしまえば、光太郎はもう戦えなくなってしまう。かつてのシャドームーンに宣告された親友殺しのスティグマがあまりにも強烈すぎて、少しでも信彦が生きているような可能性があれば、どうしても光太郎はそれを期待してしまうのだ。

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