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インド人と仕事をするときに(その1)


インド人の魅力

外国人と一緒に仕事をする時に、一定の割合でインド人に遭遇することがあると思います。ご存知の通りインドは14億人も人口のある世界最大の国の一つなので、インド国外、特に米国や欧州の大きな企業で働くインド系の人は結構多く、その意味では彼らの仕事の流儀や特徴を理解することは、国際的な業務をする人々にとっては比較的有用かと思っています。

私はインド資本の会社で10年以上働いていたので、大概の日本人よりはインドについて詳しいと思いますが、好きか嫌いかと言われればインドはかなり「好き」な方です(とはいえ、インド人が苦手な人もいますし、実はその理由も解ります)。

そして「インドの魅力」は何かというと、もちろん広い国土の多様な自然や建築、料理などもありますが、なんと言ってもキャラの立った「インド人」そのものがこの国の圧倒的な個性と言えます。それでは、インド人のキャラクターとは具体的にどんなものでしょうか。

魅力その1:話好き

私が知る限りでのインド人と特徴として、とにかく話好きでフレンドリー、親切(おせっかい?)な人が多いです。私はかつて年に1−2度はインドに仕事で訪問しましたが、行くとなるとインド側の色々な関係者とのアポが入り、全部こなすのが大変です。そして誰かのところに行くたびに、別の人が、ああ、あの日本人が来たのか。オレのところにも来いよといわれ、さらに忙しくなります。

そして約束の時間に行くと、必ずチャイを進められます。いやいや前のアポで頂いたからいいです、というと、そんなこと言わずオレのチャイを飲んでけ、というわけで、1日に十杯ぐらい甘いチャイを飲んでいろんな人と喋りつづけるはめになります。(ちなみに、インドのオフィスにはチャイボーイが常駐していて、常にお茶を配って回っています。なんでもある程度の企業規模になると雇用創出のため、チャイボーイを雇用する義務があるとか。)

ミーティングではもちろん仕事の話も真剣にするのですが、これが、会計とか税金の話とか、いきなり細かい話にガッと入って盛り上がることも多いです。以前私が働いていた欧州系の会社だと、戦略コンサル出身の人とかが多いせいか「そもそも何を話すのか」といった大枠から入って、秩序だった議論の進め方をとても重視していましたが、インドの場合は事前に詳細なアジェンダを用意することがあまりなく、最初から無秩序で、むしろ上層部であっても細かい話を延々とする。むしろ細かいことを知っているのがエライ人、みたいなところがあります。

そうすると当然ながら議論全体のバランスとか抜け漏れ、優先順位が整理されずごちゃっとしたまま前に進むことがあります。全体ミーティングなどすると大概みんな好き勝手な議論を展開し、まとまりがありません。日本人の私にはなんとも気持ちの悪い進め方ですが、インド人は相当にインテリであってもそこはあまり気にせず、無駄・ムラが生じてもあまり気にしません。一方で、デッドラインギリギリになったりして追い込まれると今までのグタグタぶりが嘘のように火事場の馬鹿力を発揮してなんとか間に合ってしまう。これがインド人の不思議なところです。

まあ、日本人は日本人なりの強み弱みがあるので、私はどちらが優れているというより、違いを認識するのが大事かと思っています。インド人の場合はとにかくフレンドリー。仕事を離れたあとも何十年も同じ感覚で付き合っていて、今でも私の誕生日を覚えてくれていて、わざわざインドからサプライズ電話をかけてくれる人もいます。

インド人の「魅力」を語り出すとキリがないのですが、その2以降の続きは次回に!それでは!


2004年頃、アジアパシフィックの財務チームとタージ・マハルを訪問(後列左から2番目が筆者)





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