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指数平滑移動平均線(EMA)とは?初心者でもわかる基礎から活用方法まで
1. 指数平滑移動平均線(EMA)とは?
株式投資やFXの世界でよく使われる「移動平均線」。
その中でも、価格の変動に対してより敏感に反応するのが
「指数平滑移動平均線(EMA: Exponential Moving Average)」です。
EMAは、直近の価格に重みを置いて計算されるため、最新の価格動向をより正確に反映することができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721426230104-fVutSJpsew.png?width=1200)
2. 指数平滑移動平均線の計算方法
EMAは前述の通り、直近の価格に重み置いて計算されるため、価格の変動を単純移動平均(SMA)より敏感に捉えることができます。
具体的には「1つ前の指数平滑移動平均線の値と直近の価格を2倍した値」を用いて算出します。
以下に計算方法を示します。
計算式:
計算に用いるローソク足の本数をN とすると
![](https://assets.st-note.com/img/1721428738714-PI2y4dwz3w.png?width=1200)
尚、最初のEMAは、初期値としてSMAを使用します。
計算例:
求める期間を5、計算に用いる価格を終値
とし、価格が以下のような場合
直近終値: 100円
1本前終値: 102円
2本前終値: 101円
3本前終値: 103円
4本前終値: 104円
最初のEMA = (100 + 102 + 101 + 103 + 104) / 5 = 102円
価格が更新され、直近終値が105円とすると、次のEMAは以下のように求められます。
EMA = (102×(5-1)+105×2)/(5+1) = (408+210)/6= 103円
資料によっては計算式を以下のように表している場合もあります。
前回EMA ×(1-α)+ 直近終値 × α
※α=2/(N+1) → 平滑化定数
ですが、この式も展開すれば上記計算式と同一であるとわかります。
まずは1-αの部分を計算していきましょう!
1-α={(N+1)/(N+1)} – 2/( N+1)
=(N+1-2)/(N+1)
=(N-1)/(N+1)
では、「前回EMA ×(1-α)+ 直近終値 × α」の式に当てはめていきます。
前回EMA×{(N-1)/(N+1)} + 直近終値×{2/(N+1)}
={前回EMA×(N-1)+直近終値×2} / (N+1)
これで、上記計算式を同一であるとわかりました。
個人的には「EMAは直近価格を2倍にする(直近価格に重みを置く)」と覚えているので、この記事で示した計算式でEMAは覚えています。
3. 指数平滑移動平均線の活用方法
EMAは、SMA同様トレンドの確認やエントリーポイント、エグジットポイントの判断に使われます。以下に、具体的な活用方法を紹介します。
トレンドの確認
EMAを使うことで、価格が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのかを視覚的に簡単に確認できます。
ゴールデンクロスとデッドクロス
EMAにも「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」という売買のシグナルがあります。
ゴールデンクロス:短期EMAが長期EMAを下から上に突き抜ける時。一般的にこれは買いシグナルとされ、上昇トレンドの始まりを示唆します。
デッドクロス:短期EMAが長期EMAを上から下に突き抜ける時。一般的にこれは売りシグナルとされ、下降トレンドの始まりを示唆します。
サポートとレジスタンス
EMAもサポートライン(価格が下がったときに止まるライン:支持線)やレジスタンスライン(価格が上がったときに止まるライン:抵抗線)として機能することがあります。
価格がEMAに近づいたときに反発する動きを見せることが多いため、エントリーポイントやエグジットポイントの参考になります。
4. EMAの期間設定
日足のチャートを用いる場合、短期トレーダーは期間5、10、20のEMAを、長期投資家は期間50、100、200のEMAを使用することが一般的と言われています。
期間が短いほど、価格の変動に敏感に反応し、期間が長いほど、トレンドをよりスムーズに把握できます。
5. EMAの注意点
遅行性:EMAも過去のデータを元に計算されるため、トレンドの変化に遅れて反応します。ただし、SMAよりもその遅行性は少ないです。
ノイズ:短期間のEMAは市場のノイズに敏感で、頻繁にシグナルが出ることがあります。そのため、他の指標と併用することで信頼性を高めることが推奨されます。
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