社内SEに必要なシングルタスクの環境作り
「ちょっといい?」
社内SEをやっていると、直接訪問、内線電話、携帯電話、あらゆる手段で1日に何度も何度も声を掛けられる。
充実した社内SE人生を送るには、頼られ過ぎの環境作りは欠かせないと言ってはみたものの、実はとても困ってることがある。
それは今、まさに作業している事が、声を掛けられると中断してしまうという事だ。
特に間違ってはいけない処理や、深く集中して考えをまとめたいといった作業をしている時はかなり辛い。もっとも、ごく簡単な作業だったとしても、それが故に割り込みを許し続けた結果、たった3行の返信メールを午前中いっぱい掛かっても返せませんでした・・・なんて事も実際に起きている。
仕事は1度中断されると間違いなく作業効率は落ちる、最悪考えていたものが全てリセットされ、一からやり直しになってしまうことだって日常茶飯事だ。
社内SEは、どうしてもマルチタスクになりがちなポジションなので、この状況に対処する術を、常日頃から考えておく必要があるのだ。
■マルチタスクの状況をいかにしてシングルタスクに持ち込むか
じゃ〜どうやって対処すれば良いのか?
実はこれ、かなり難しい。
正直、答えなんて永遠に出ねーんじゃねーかというくらい、難しい。
ただ・・・間違いなく言えるのは、仕事というものは、1個始めたら区切りがつくまで終わらせて、それから次の仕事に取り掛かるのが1番効率がいいということだ。
そしてその作業を行っている間、なるべく中断のない環境で終わらせるのが、最も効率がいい。
そう・・・マルチタスクな状況をいかにシングルタスクに持ち込むか、いかにしてシングルタスクの状況にマルチタスクを持ち込ませないか・・・この環境作りを真剣に考える必要があるのだ。
この考えをもとに、私が今、試しに取り組んでいることが3つある。
①朝、1時間早く来て、誰にも声を掛けられない環境で、いくつかの作業を終わらせる。特にボリュームの大きい作業や集中が必要な作業はできる限り始業前にやり切ってしまう。声を掛けられながらやると3時間かかる作業も、誰からも声を掛けられなければ1時間で終える事ができる。
②この作業をやっている間は、携帯電話に出ないと決める。その間かかってきた電話は後から折り返しする。
③誰もいないところで作業する。自席にいれば訪問されたり内線電話が掛かってくるため、それを回避する。
ま~今勤めている会社の社内SEだから許される方法もあるのだが、何としても一人で作業したい、誰にも割り込みされたくないときは、自分のモードを切り替えたり、仕事の環境を変えたりしている。
■仕事には2種類ある
つまり私は仕事を2種類に分けている。
〇相談を受ける、会議、電話、メール、ラインといった人との情報交換を主とするコミュニケーション系
〇資料作り、処理、考えを形にする、資料・マニュアルを読み込むといった、人と関わらないスタンドアローン系
実際はここまで単純なものでもないが、まずは仕事にはこの2種類があるんだよ・・・と強烈に意識した上で、その仕事にあった環境づくりを行うようにしている。
■この考えに至った経緯
この考えをまとめるにあたり、まさに今、自分が陥っている姿を、鏡のように映し出してくれている”ある部長”の存在があった。
その部長は、ある特定の分野に関して広く、深い知識を持っている。しかしそれが故に、ありとあらゆる部署や地位の社員が、その部長に助けを求めてくる。質問、相談、仕事の依頼・・・その部長のもとには次々と問題・課題が持ち込まれる。
その結果、その部長がどのような状況に陥ったか・・・
頼まれた資料を作成している最中に、話しかけられる、携帯電話が鳴る、内線電話が鳴る・・・そしてそれらの対応が終わるころには資料作成が3つ増えてる。当然、今、まさに手を付けていた資料は強制中断され、どこまでやったんだっけ?の状態。
ひとつのことに集中して作業なり、頭なりを使うことができないから、結局どれもクオリティーの低い成果物しか出せなくなり、結果的にその部長の評価は下がる。
その部長は優秀なはずなのに・・・
仕事をひとつずつ預け、集中して取り組ませれば、完成度の高い成果物を生み出すことができるはずなのに・・・
でも会社はひとつひとつ順番に行儀よく仕事を預けたりはしない。
こいつは優秀だ、こいつは便利だと思ったら、容赦なく同時多発的に仕事のボリュームに関係なくその人めがけて一気にぶん投げる。
それをどのようにさばくかは、その人次第・・・そしてもしその人がぶっ潰れたとしたら、会社はまた優秀で便利な人材を探し回るだけなのだ。
この部長は優秀なのにこうなった。
この部長ほど優秀でもない、頭も良くない私には、マルチタスクなんてそもそも無理なんだ。
マルチタスクをシングルタスクに強引に持って行く・・・そうしないと自分は潰れる。
私はこの部長の状況を見て、シングルタスクにするにはどうすればいいか、真剣に考えるようになったのだ。
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