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福島第一原発の処理水の海洋放出に対して【党談話】

 岸田政権は東京電力福島第一原発の処理水(アルプス処理水)の海洋放出を行うことを決定し、本日午後より、海洋放出が開始された。

 自公政権及び東京電力は、2015年に福島県漁業協同組合連合会に対し、文章で「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と約束したが、海洋放出に関して関係者の理解が十分に得られたとは言い難い。それゆえ、約束が反故にされたことは非常に遺憾である。

 しかしながら、たまり続けてきた処理水が来年にも満杯になる可能性があること、国および国際原子力機関(IAEA)の安全基準を満たすまで放射能が取り除かれたレベルで処理水が放出されること、さらに処理水問題を政争の具にしていると思われるような言動を繰り返す国内外の政治勢力など全ての人を納得させるのは極めて困難であることから、我々は、今回の決定は一定の合理性を有すると考える。

 もっとも、これまでの自公政権および東京電力が海洋放出以外の代替案を真剣に検討し、実現に努めてきたとは認識されておらず、根本原因である福島第一原発の建屋内への地下水の流入を止めるための「凍土壁」などの対策は十分な成果を上げてこなかった。我々は、岸田政権および東京電力に対して、これから起きるであろう風評被害を防ぐためのあらゆる対策を講じることに加えて、科学的な危険性が立証された場合の放出即時停止、地下水流入問題の解決、海洋放射以外の代替案の早期提示を強く求める。

 福島第一原発事故は、発生から12年以上経過しているにも関わらずこれだけ大きな政治問題を生じさせている。ウクライナ戦争においては、ザポリージャ原発は大変危険な状況にあり、いつ大規模な原子力事故が発生してもおかしくない。こうした現実を無視して原発再稼働に邁進する自公維国の翼賛政治勢力は無責任極まりなく、脱原発への復帰を実現させ政治を根本的に変えるために、我々は全力を尽くす次第である。

2023年8月24日
進歩党代表
鈴木しんじ


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