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スリルミー2023 木村×前田ペア

まえがきは以下に。

木村達成がスリルミーに出る、しかも「私」を演じると知ったとき、ものすごくテンションが上がったわたしです。
たつなりは観る度に「すごい役者になってってるー!」と感じさせてくれる推しなので、それだけでもう楽しみにしていました。

別件ですが、インタビューでファンの存在を「倒さなきゃいけない相手」って表現してるのが最高だなって思うくらい好きです。笑


前田くんは、実は同世代で、かつて「天てれ」に出ていた頃の記憶が一番色濃いんですよね。
だから、こうしてスリルミーで拝見することになるとは思わなんだ。


木村前田ペアは2度観ることができました。
自分が観たのは、10日と29日。
1回目と2回目で20日近く空いたことになるんですが、先に結論から申し上げましょう。

たつなりの変化がやばかった。

あの、推しなのでたつなりの話が多くなってしまうんですけど、10日に観劇した時点で木村私のやばさみたいなものは見えていたんです。
だけど、29日に観劇したら、初回の比じゃないくらい怖くてたまらなかった。
怖いというか、狂気。
感情狂ってんなー!って感じの「私」がそこにいました。
やば……。

1回目のときは、終盤の怖さを分かりやすく出そうとしていたんじゃないかなー、なんて。
だって、序盤ちょっと弱々しそうな感じだったんだもの。
それが2回目になると、彼と対等になっていた気がしたんですよ。
分かりやすくしなくても終盤の狂気を生み出せるようになっていったんかなー、って。
あくまでもわたしが自分で勝手に考えたイメージですけどね。
真相はたつなり本人のみぞ知る。


初回からやばかったのはラストシーンですね。
「スリル・ミー」で暗転して終わる前の、明るく照らされた私の表情。
ここって、私役の皆さんそれぞれ全然違うなーと思っているんですけど、木村私のラストシーンは「グラデーション」だと思いました。

満面の笑み→徐々に薄れていく→無

というように。
これはどちらの回も
「うわ~新しい私がまた生まれてしまった~!」
と思った名場面でした。
(名場面の使い方おかしい)


ここで前田彼の話をしましょう。

前田彼は、私のことを弄んでいるイメージが強かったです。
2度目の観劇時にハッとしたのが、『僕はわかってる』のキス。
一度軽く口づけた後、声に出して笑ったんですよ。
思わず、見てるわたしのほうが声出しそうになったわ。
私のことをおもちゃとして見ている……?

その延長なのか、『計画』での「顔に塩酸すべてを焼いて」の後もめっちゃ声出して笑ってたからびっくりしちゃったよね!
めっちゃ楽しそう!良かったね!(?)


正直、29日の回は前田彼がちょっとやらかしてしまっていたんですね。
『契約書』でタイプライター出すときに椅子を倒してしまって。
まぁでもこれは歌いながら直せる。

ちょっと空気がざわついたのは『脅迫状』のときですね。
「俺が誘拐されたら親父はどうするかな」のところを、
親父が誘拐されたら……(ククッと彼らしく笑う)俺が誘拐されたら親父は……」
となっておりました。

ただね、実はわたし、そのシーンは私役をガン見すると決めているので、言い直したときに初めて気が付きました。笑

なぜ私をガン見するかって?

「あぁ、完璧だ……」を言う私を見るためだよ!!!


ということで、木村私の話に移ります。

2回目が本当にやばくて、ちょうどたつなりの視線をダイレクトに受ける場所から観劇していたこともあるんですが、目が怖かったんですよ。
しかも、まだ犯罪の「は」の字も見えない頃のキラキラした19歳の場面でも、なぜか怖かったんですよ。
『やさしい炎』の時点でも怖かったからね。


最初の『戻れない道』、当時を振り返るように静かに歌い上げられますが、問題は最後です。
「いつまでも2人 そう 信じてた」の「しんじ て た」で、段々と目が笑っていったんですよ。
少しずつ、目が見開かれていった。
それが怖くてたまらなかった。

私役に注目してしまう『脅迫状』の「あぁ、完璧だ……」の表情を見て、
「あー、これは完全にやってんなー」
と思ってしまいましたよね。
こわーい。


あとね、今年のスリルミーでは見られないのかな?と思っていた、私役特有の怖さが木村私にはあったんです。
眼鏡のことで警察から連絡がきたことを振り返る台詞。

「あんなに早く見つかるとは……とても驚きました」

この「とても驚きました」で顔が笑ってたの!!!
こっわ!!!
これ、2019年の地方公演で松下私を見たときに一番怖さを感じた場面なんです。

参考までに↓

木村私は、松下私とはまた違う狂気を感じる怖さだった……
怖すぎてわたしは思わずマスクの下でにやけてしまいました。
(どういうこと)

でも、わたしが見たかった「私」の狂気がそこにあったんです。
たつなり、いいぞ……
my初日のときはまだ試行錯誤していたのかなーと思いました。
2回観ることができて本当に良かった……。


そんな具合なので、終盤は護送車のシーンから『九十九年』、そしてフィナーレへと続く「木村達成の私劇場」が狂気でしかなかったです。
人間ってあんなに笑えるもんなの?ってくらい笑ってて怖かった……

その「笑み」がラストで活きてくるのも、木村私のすごいところでした。
初回でもラストシーンが「グラデーションだった」と書きましたが、狂気の笑みを印象付けた状態で、笑みが少しずつ消えていくあの表情を見せられたら、その先が気になって仕方ない。
あのまま仮釈放されて、木村私は本当に幸せなんだろうか?って思っちゃうレベル。
笑いも狂気だし、無表情も狂気。
すごいラストでした。


たつなり、私を演じてくれてありがとう……
と、よく分からない目線になった木村前田ペアでした。


このペアのピアノは、音楽監督も務めてらっしゃる落合さん。
後で気付いたんですが、わたし、これまでのスリルミーで(生で)聴いたのは朴さんと篠塚さんだけだったんですね。
2021年の生配信でしか体感していなかった落合さんの演奏。
思っていたよりテンポが速い印象でした。
2021年の篠塚さんで「テンポが速めかな」と思っていたけれど、それ以上だったかな。

3ペアのキャストがいて、ピアニストも3人。
今回のスリルミーはピアニストとペアが固定なので、そこを楽しむのも面白いな~と思ったのでした。


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