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第6回 企業がZ世代に注目する理由

 皆さんこんにちは
佐賀SDGs官民連携円卓フォーラムの大野です。

 最近はシンポジウムがほとんどオンラインで参加できるようになり、今までになく東京発のSDGs関連シンポジウムにたくさん参加できるようになりました。飛行機代がかからないので、私も気軽に興味あるSDGsのプログラムに参加しています。

 そこで最近気が付いたことがありました。それは、それぞれ別のシンポジウムで「Z世代」について話題にされる方がいらっしゃったということです。それの内容ですが、SDGsが世界のトレンドとなっていく中で、「Z世代」が今後の消費と労働力としての中核となっていくマーケットのあり様を予測したものでした。

 「Z世代」とは何でしょう?世代をいろんな呼称で呼ぶのは今に始まったことではなく、「Z世代」直前は「ミレニアル世代」、その前は「ゆとり世代」でした。ちなみに更にさかのぼっていくと「団塊ジュニア世代」「就職氷河期世代」「バブル世代」となります。その前は「新人類」で、世代はつかず、もっとさかのぼって「団塊の世代」となります。ちなみに私は「新人類」の最終ランナーで、翌1965年生まれ以降が「バブル世代」となります。

 最近までは「ミレニアル世代」が注目されてきました。その理由は、彼らの世代は従来の世代から比べて消費動向が著しく変わり、モノの売れ方が変わってきたからです。若者が自動車を買わなくなった、という文脈で語られる、彼らです。背景としては物心ついた時からインターネットがあり、情報収集、娯楽、消費、コミュニケーションをスマートフォンで完了する世代です。年齢でいうと現時点で27歳から40歳の世代です。「ゆとり世代」「さとり世代」という世代にカテゴライズにされるケースもあります。

 彼らの特徴は、デジタル・デバイスを使い倒し、そのための技術習得には熱心。ソーシャルやエコロジーを重視。モノよりコト重視。健康志向でスピリチュアルに違和感を持たず、倫理的。親世代よりも相対的に低収入なので、シェア、投資、サブスク、などローコストでミドルパフォーマンスを好む。などがあるそうです。(当然すべてのひとがそうというわけではありませんが)そして、消費でいうと大きな購買層になるのですが、消費行動が大きく変わったのはこの特徴だけでもご理解いただけると思います。そして、彼らこそがSDGsに最も敏感な世代と言われています。SDGsの最終年度2030年には37歳から50歳、消費の中心になります。企業がこの世代を顧客の中心においた時にSDGsにコミットしていないというのは基本的には「ナシ」と言えるのではないでしょうか


 「ミレニアル世代」はなんとなくマーケットの方向性は見えてきますが、その次の世代はどうか、というと全く見えてきません。VUCA時代(ブーカと読みます)は羅針盤のない大航海時代と呼ばれています。コロンブスの15世紀の大航海時代でも羅針盤があったのに、全く先行きが読めない、という意味です。その時代の主たる顧客になるのが、次の世代「Z世代」です。彼らの指向性、消費動向、など、企業としては手掛かりが欲しいところだと思います。

 「Z世代」ですが、「ジェネレーションZ」がもとで、アメリカでは「Gen Z」(ジェン・ジー)と会話の中で出てきます。生まれた時からインターネットがあり「デジタル・ネイティブ」と呼ばれています。世代としては現在5歳から24歳の世代です。世界の人口の4分の一に当たります。日本ではもっと少ないですが。

 その特徴ですが、今の高校生、大学生から読み取ると、以下の通りになるそうです。情報はネット検索、コミュニケーションは即時オンライン、音楽・動画はオンラインで大量消費、9.11以降の世代ということで、強固でゆるぎないもの(国家、権威、大企業など)、への期待感は薄いという特徴もあります。彼らの中には彼らの方向性をリードするインフルエンサーがいますが、どのような人がインフルエンサーになるか、というと「グレタ・トゥンベリ」さん。そうです、気候変動にNoをたたきつけ、それをもたらした大人たちに責任を取れと迫った彼女です。Z世代は地球の環境が近い未来に破綻する可能性があることを体感で知っています。彼らの危機感は我々世代の「頭で理解した」危機感とは別物なのです。

 ですから、彼らの価値の中心は持続可能性。そうです、SDGsは彼らの価値観そのものなのです。「空気があるの?」「権利ってあるの?」という質問と同じように、当たり前にSDGsが存在する世代なのです。

 世界で25億人いるZ世代の潜在的な消費力はそうとう大きくなることは容易に想像できますが、その多くは日本にいる人ではないということになりますので、日本の企業からすると残念な話です。でも、彼らは国境など関係なくつながりあうので、日本の顧客としっかりつながりあいながら世界中の顧客とつながることに期待が持てます。しかし、それも、日本の企業がSDGsにしっかりコミットしていることが条件となります。「Z世代」という将来の顧客に対してのマーケティングはSDGsというスケールを通して見ていかないと、未来を予測することが困難だと言えるのではないでしょうか。


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