『地球の限界』を考えてみよう。それは・・・(28)

車好きの皆さんには、少し古い情報も織り交ぜながらになりますが、
その経緯を知って戴きたいので、既存情報をお読みください。
 
10)コスタリカ/
再生可能エネルギー大国のコスタリカ、脱炭素社会実現に向けてEV普及促進
2019年1月28日 公開

電力の98.5%を再生可能エネルギーで発電するコスタリカで、脱炭素社会の実現に向けて電気自動車を積極的に導入する政策が展開されている。
 
水力発電、太陽光、風力、バイオマス、地熱などを非常に積極的に使い、消費電力の98.5%をこれら再生可能エネルギーにより発電している再生可能エネルギー大国コスタリカが輸送部門の脱炭素化を目指している。
2018年5月8日に新しく就任したカルロス・アルバラード・ケサーダ大統領は、サステナビリティや脱炭素化を重視した新政策を発表し、中でも電気自動車(EV)に関して、今後5年間で4万台を普及させる目標を立て、購入時の優遇税制や充電インフラの整備を重視する政策を実施している。
コスタリカは人口約500万人、観光資源に恵まれた国であり、エコツーリズムを促進するうえで輸送部門の電化が重要な課題となっている。同国環境省によると、輸送部門の炭化水素消費に占める割合は66%で、CO2排出量では54%を占めている(2011~2015年の期間で住民一人当たりのCO2排出量は1.7トンであった)。
山岳地帯が多いため、庶民はピックアップや大型4WD車を好み、自家用車の大半はまだまだガソリン車とディーゼル車となっており、同国における自動車登録台数140万台のうち、EVは600台に留まっている。
こうした中、コスタリカ電力公社(ICE)は自社の約100台の商用車をEVに交換し、ICEのBernal Muñoz電力モビリティ部長は、「我が国の地形にEVが適しているという点をアピールすることが目的だ」と語った。
コスタリカでは、日産、現代自動車及びBMWのEVモデルが3万~5万米ドル(約329~548万円)の価格で市販されている。同国でEVに乗り換えると、燃料・維持費を毎月約130米ドル(約1万4000円)を節約することができると試算されているが、価格は庶民には手の届かない高嶺の花になっている。
このため、同国政府はEV購入時の優遇税制の対象を約半分の価格で販売される中古車にも対象を広げ、この結果、EVの登録台数は過去1年間で倍増した。
中古EVの販売台数は1年半前には1ヶ月に1台のペースであったが、現在では4台に、2019年中には10台に至る見通しである。
 
 11)スペイン/
スペイン政府、EV普及促進計画「MOVES」に4500万ユーロ投資へ
2019年3月19日 公開

 スペイン政府が電気自動車(EV)の普及とEV向け充電設備の拡充を目指す「MOVES」計画を採択した。
スペイン閣僚会議は2019年2月15日、エコロジー移行省が提案した電気自動車(EV)の普及とEV向け充電設備の拡充を目指す4500万ユーロ(約57億円)の「MOVES」計画を採択した。同計画は、「Movalt」及び「MOVEA」の2つの計画に続くものでいずれも電動モビリティの促進が目的とされており、欧州地域開発基金(ERDF)による協調融資を受ける。同計画の概要は以下のとおり。
EV購入補助金:
電動スクーターに対する700ユーロ(約8万8400円)からトラック等大型車両に対する1万5000ユーロ(約190万円)まで。EV小型車の購入に対しては5000ユーロ(約63万2000円)と、ディーラーによる1000ユーロ(約12万6000円)の割引が規定されており、総額6000ユーロ(約75万8000円)。
 
プラグインハイブリッド車購入補助金:
航続距離が12~32kmの場合は1300ユーロ(約16万4000円)、32~72kmの場合は2600ユーロ(約31万8000円)。
 
購入価格の上限(EV及びプラグインハイブリッド車):
4万ユーロ、障害者あるいは大家族の場合は4万5000ユーロ、をそれぞれ超える場合には補助金は適用されない。
 
EV向け充電設備:
急速充電設備を中心に対象者によって投資コストの30~40%の援助を受けられる。
 
対象者:
個人、企業、小規模事業者、地方自治体、政府組織、など対象者は様々。補助金は申請順に予算が無くなるまで実施される。エネルギー多様化・省エネルギー研究所(IDEA)が担当機関。
 
スペイン自動車工業会(ANFAC)のマリオ・アルメロ副会長はMOVES」計画に関して、液化天然ガス(LNG)車と圧縮天然ガス(CNG)車が除外されるなど、補助の対象車が頻繁に変わるので、メーカーとしては、利益を見込める投資ができないと批判した。また、同国においてEVの売上げを促進するには年間ベースで1億5000万ユーロ(約189億円)の補助金が必要であると主張した。
 
なお、同国では、2050年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止するための法律「気候変動とエコロジー転換法」の作成が進められていたが、予算案が否決されたことを受けてサンチェス政権が解散総選挙を発表するなど、法制化の手続きは遅れている。
 
 
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