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2つのホワイトリボン

今日ドラッグストアで買ったティッシュペーパーに、「ホワイトリボン」のマークがついていました。

箱がない分安いのかと、深く考えずに買いました。

ピンクリボンやオレンジリボンは知っていましたが、ホワイトリボン?

世界の女性が健康に生きることを支援する運動。

ホワイトリボンは、女性のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)の大切さを伝える、国際的なシンボルマークです。

公益財団法人ジョイセフ HPより

そうなんだ! 初めて知りました。
ティッシュのパッケージには、「2分に1人、妊娠や出産で女性が命を落とす」と書かれています。
SDGsを読み返すと、目標3に、関連するターゲットが2つありました。

目標3 すべての人に健康と福祉を
3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満にまで下げる。
3.7 2030年までに、家族計画や情報・教育を含む性と生殖に関する保育サービスをすべての人々が確実に利用できるようにし、性と生殖に関する健康(リプロダクティブ・ヘルス)を国家戦略・計画に確実に組み入れる。

SDGsとターゲット新訳

望まない妊娠・児童婚、衛生面や安全面が不十分な中絶・出産で命を落としたり健康を害する女性が、世界にはまだまだたくさんいるということなんですね。

日本では関係ない話のようですが、国内でも「10代女性が公衆トイレで出産、新生児を遺棄」といった悲しいニュースを目にした記憶があります。
貧困、教育、ジェンダー、さまざまな要因が絡み合って起こるこれらの出来事は、女性の心も体も深く傷を付けるものです。

ホワイトリボンのことを調べていると、もう1つ、別のホワイトリボンが出てきました。

1991年、カナダで始まった「ホワイトリボンキャンペーン(WRC)」。男性が主体となって女性に対する暴力撲滅に取り組む世界最大のキャンペーンで、50カ国以上に広がっています。

ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン HP

性暴力、DV、さまざまなハラスメントといった女性への暴力に対して、「俺は関係ない」と無関心になりがちな男性こそが、主体的に取り組んでいくべきだと始まった運動だそうです。
SDGsで言えば「目標5 ジェンダー平等を実現しよう」に深くかかわっていますね。

きっかけとなったのが「モントリオール理工科大学虐殺事件」。
カナダの大学に押し入った25歳の「反フェミニスト」の男性が、女性ばかりを銃撃し、自ら命を絶ったという事件です。受験に失敗した原因を「女性が理工系の分野に進出したからだ」と逆恨みしたことによる犯行でした。

そう、思い出しますよね、あの事件にそっくりです。
2021年に東京で起こった「小田急線刺傷事件」。電車の中で女子大生などに無差別に切り付けたというあの事件も、男性が女性に恨みを持っていたから起こった「フェミサイド(ジェンダーを理由とする女子や女性の殺害)」ではないかという見方があるそうです。

私は仕事柄、女性のキャリアを考えることが多いのですが、日本であっても、安心して出産や育児ができ、職場でも家庭でも男性からの暴力に遭う危険がない環境にいます!という女性はほぼいないと思います。

「女性の健康を守る」「女性への暴力を撲滅する」
この二つのホワイトリボンは、キャリアコンサルタントである私にとって、とても重要なシンボルになりました。


コメントやスキをいただけるとうれしいです! いつか、金沢市を拠点に、SDGsの観点からキャリア支援できるような活動をしていきたいと思っています。