《1》自動車業界の事例(トヨタ自動車)
今回は、製造業の中の「自動車業界」についての事例をお伝えします。
地球温暖化対策の新しい枠組みである「パリ協定」成立の流れを受け、2018年7月に経済産業省の官民協議会は、「2050年までに日本の自動車メーカーが国内外で販売する乗用車の新車を、全て電気自動車(EV)やハイブリッド車などモーターを使った『電動車』とする」と目標を打ち出しました。
これによって、自動車業界ではSDGs達成目標年の30年のさらにその先の「2050年」を見据えて、今後の経営を考えていかないといけない状況にあります。もちろん、その自動車の部品等を扱っている企業についても同じことが言えます。
その中でいち早く動いているのがトヨタ自動車です。
トヨタ自動車は、ブランド総合研究所が発表した、消費者やビジネスマン、投資家など1万500人による国内の有力企業210社のSDGsの取り組みやESG(環境、社会、企業統治)活動を評価する「企業版SDGs調査2020」で1位を獲得しています。
具体的な取り組みは「トヨタ環境チャレンジ2050」という長期目標で詳しく発信されていますが、「新車CO2ゼロチャレンジ」をはじめ、6つのチャレンジを掲げています。
そして、2030年のマイルストーンでは、年間自動車販売台数の550万台のうち、EV、燃料電池自動車の販売台数を100万台以上とし、CO2排出量は10年比で35%以上削減の見込みとしています。
また、電動車は生産時のCO2排出量が同クラスのガソリン車よりも多いため、生産段階でも車のライフサイクル全ての段階でのCO2を削減する、としています。
このようなトヨタの取り組みは、主なSDGsのゴールでいう関連産業と、ゴール12「持続可能な生産と消費」をベースとしながら、ゴール9「イノベーション」を起こし、目標13「気候変動対策」につながります。
自動車は多くの部品産業との連携ででき上がる最終製品のため、自動車の関連企業全体がSDGsに取り組むことで、大きな波及効果が見込まれます。
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