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【vol.20】司法書士とSDGs~自分の仕事の本当の価値って?~

最近、”アフターコロナ”という言葉をよく聞くようになり、

”自分の仕事の”本当の価値”は何なのか?”

こういう問いを突き詰めていくことが大事なんじゃないかな~?
と漠然と考えるようになりました。

例えば、飲食店なら、美味しい料理を出すことだけでなく、「皆が楽しめる心地よい空間や時間を提供すること」であったり、

スーパーなら単に日常生活に必要なモノを売るだけでなく、「近所の人と出会って何気ない会話をして楽しんだり、お互いの無事や近況の確認ができたり(これは田舎だけかな?笑)など、自粛生活の気晴らしになる外出の機会をつくる場を提供すること」であったり。。。

普段は隠れているその仕事の本当の価値(もちろん、人によって感じる価値は違うとは思いますが)というのが、コロナを機にこれからどんどん明るみになっていくのではないかな?

逆にいうと、

アフターコロナは、自分の仕事の本当の価値を突き詰めてやっていかないと、お客さんに選ばれなくなってしまうのでは?

なんて、まだまだ考えが浅いと思いますが。。。最近よく感じたりしています。

ということで、私自身も本業である”司法書士”にSDGsを結びつけてみるというテーマで記事を書きながら、自分の仕事の本当の価値を探ってみる、という一石二鳥の(!?)試みにチャレンジしてみたいと思います。


1.司法書士ってどんな仕事をしているの?

まずはこの疑問をお持ちの方も多いと思うので、これを機に簡単にご紹介したいと思います。

【司法書士のお仕事(例)】
①不動産登記
土地や建物の名義変更(売買・贈与など)、住宅ローン借入れにおける抵当権(担保のこと)の設定登記、住宅ローン完済における抵当権の抹消登記などの登記手続全般

②相続・遺言
家族が亡くなった後の遺産(不動産や預貯金など)の相続手続き、生前に遺言を作成するための手続きなど

③商業登記
個人事業主の法人化や新たな法人設立、会社の内容(本店や役員など)の変更

④成年後見
認知症や知的障がいの方の財産の管理や法的な手続きの代行

⑤債務整理
借金整理のための手続きや自己破産申立ての書類作成援助

⑥裁判書類作成(簡裁訴訟代理)
日常のトラブルにおける裁判所に提出するための書類作成援助や、少額裁判(140万円以下という制限があります)の代理人としての業務

その他にもいろいろとありますが、ざっと主な業務内容をあげてみるとこのような感じかなと思います。
※ちなみに私の事務所では地域柄もあり、①・②・④をメインに行っています。

このように見ていくと、司法書士の仕事は

自分では行うのが難しいような登記手続きや法的な手続き全般を、支援ないし代行させていただく

ざっくり言うとこういったことのように思えます。

その昔、司法書士は”代書屋”と呼ばれていた時期もありまして、「依頼者の代わりに書類を作成させていただく」ということが今も残っている大きな業務内容です。(もちろん、書類作成にあたり諸問題の整理や法的な判断は行いますし、それが大切な仕事です)



2.司法書士事務所として取り組めるSDGsは?

それでは、これをSDGsに結び付けてみたらどのようになるでしょうか?
司法書士の業務でSDGsの推進ないし達成に貢献することができるのでしょうか?

私の事務所でメインとして行っている業務をSDGsに結びつけてみました。

【俣野ひろや司法書士事務所のSDGs推進】
https://www.hiro-judicialoffice.com/cont8/main.html

【司法書士として貢献できる主なSDGsのゴール】
ゴール4:質の高い教育をみんなに
ゴール3:すべての人に健康と福祉を
ゴール11:住み続けられるまちづくりを
ゴール17:パートナーシップで目標を達成しよう

ということで、SDGsの視点で見てみると、私の司法書士としての仕事は、「パートナーシップを通じて、教育・健康と福祉・まちづくりに貢献できる」ということが表現できます。

こう考えていくと、自分の仕事が社会にどう貢献するのか?ということが見えやすくなり、「何のために」自分がこの仕事をするのかが見えやすくなったりしますね!

特にゴール4「質の高い教育をみんなに」は、司法書士以外でも”士業”と呼ばれる職業の人たちはそれぞれの専門分野を活かして、それぞれの専門家ならではの貢献をしていくことができそうです。

私の直近の事例でいくと、ここ半年ぐらいの間に地域の”FMたんご”というラジオ番組を通して、「①遺言 ②相続放棄 ③終活」といったテーマで3回にわたりお話をさせていただきました。

複雑で難しいことをなるべく分かりやすくなるようにお話したつもりですが(と言いながら、やっぱりわかりにくかったらゴメンなさい)、これも地域のラジオリスナーさんに対する「質の高い教育」に少しでもなっていたらいいなぁ。。。


3.自分の仕事をSDGsに結び付けるメリットは?

私自身もやってみたように”自分の仕事をSDGsに結び付けるメリット”はいろいろとあると思うのですが、

「いま行っている業務がどのような社会課題の解決につながるのか?」
「自分の業務が(社内を超えて)社会に対してどういったプラスの効果を及ぼしているのか?」


こういったことを改めて考えられることは大きな意義があると思います。

どうしても目の前の仕事に追われると、「お金を頂く」ということ以外の仕事の目的を忘れがちですが。。。SDGsを一つの指標として改めて自分のやっている仕事が地域・社会において果たす役割を明確にしていくことができます。

また、今後、引き続き力を入れて行っていく業務とだんだん割合を減らしていく業務の取捨選択をするためのバラメータにもなるかな?と思います。

さらに、SDGs達成により貢献していくために業務のブラッシュアップを行うきっかけになったり、周辺業務から新たな分野に挑戦したり、そういったヒントにもなると思います。

また別の記事でも触れてみたいと思いますが、私としては、SDGsゴール11「住み続けられるまちづくり」にも関わる地域の「空き家問題」に対して司法書士としてもっとアプローチしていけないか、これから考えて取り組んでいきたいところです。

また、SDGsの「経済・環境・社会」の3側面でいくと、司法書士ではなかなか「環境」面に対するアプローチが難しいように思います。そもそも、何かモノを売るのではなく、目に見えないサービスを提供するのが仕事ということもありますので。。。

例えば、考えられることは、仕事で使う事務用品は環境改善に取り組む団体への支援につながるものを選ぶ(バナナペーパーでできたボールペンを使っています。また、つい先日、世界自然保護基金の「WWF」のネットショップで売っているボールペンを買いました)とか、コピー用紙はFSC認証のものを使う(これは多少高くても意識して使うようにしています)とか、うーん。。。今のところこれぐらいしか考えられませんが、是非、皆さんからもご助言いただけたらと思います。


4.自分の仕事の本当の価値とは?


さてさて。。。自分の仕事とSDGsへの結び付けができたところで、自分の仕事の本当の価値というところを考えてみたいと思います。

これを考える上で、私が地域で仕事をする上で事務所として大切にしていることを思い返してみました。

●できる限りどんな相談にも乗る
●仕事とは関係ない地域の活動にもなるべく参加する

これは開業当初から意識してやってきたつもりではあります。

まずどこに相談したらいいのかわからない
こんなことを相談していいのか不安
これまで事務所を訪問いただいた方々からこういったお声がたくさんありました。

例えば、この事案の相談先は行政書士なのか税理士なのか、はたまた弁護士なのか、土地家屋調査士なのか。。。そもそも士業に相談していいものなのか?

士業の業務の境目というのは、その業界にいる人でないとなかなか理解し難いものです。

そんな中、まず私に相談してもらって、事案の内容を整理してお伝えし、一定の解決の方向性を指し示したり、司法書士では解決が難しそうなことは他の相談機関や専門家をご紹介したり。。。これによってある程度スッキリした状態で満足して帰っていただく方も多いです。

こういうことを思い返し、自分の仕事の本当の価値を考えてみると。。。

”目の前で困っている人の道しるべになること”


このように言えるのではないかなと思い至りました。


また、”仕事とは関係ない地域の活動にもなるべく参加する

これは一見すると「そもそも仕事ではないよね?」と思われるかもしれません。

ただ、やはり専門家以前に、”一人の人間”として親しみや信頼を持ってもらわないと「敷居が低い」とか「相談しやすい」と思ってもらうことはできないと思いますので、その意味では(もちろん地域活動の場ではあからさまな営業などはしませんが)こういった地域活動も仕事の一部と捉えることもできるかなと思います。

そして、地域活動に積極的に参加することで自分の住むまちがよくなっていけば、意図せずとも将来的に何らかの形で仕事にもつながっていきますよね。

これから士業という業界においてもいわゆる「AIの台頭」により、手続きのオンライン化がどんどん進み、専門家に依頼しなくても自分でできるような優しいシステムになっていけば、僕たちの司法書士としての業務もどんどん減っていくかもしれません。

だからこそ、”自分の仕事になるかどうか?”だけを軸にして考えるのではなく、たとえ自分の仕事にはならなくても、目の前の人の課題を解決するのに最適な方法や手続きを案内できるように”道しるべ”となっていく。

そして、案内役になるだけでなく、自分が地域の課題解決に貢献できると思ったら、仕事になる・ならないに関わらず、自分自身も手や体を動かしてそういった取り組みに参画していく。

特に私の働く地方では、こういった”つながりを大切にする働き方”がとても重要だと実感しています。コロナを機に、この価値観を大切にしながら、地域・社会のお役に少しでも立てるように、これからも仕事とそれ以外の活動をあまり区別することなく尽力していきたい、そんな風に決意を新たにしている今日この頃です。

珍しく(?)自分の考察が多くなり、かなり自分のための偏った記事になってしまいました。。。(汗) 

話がうまくまとまりませんが、何かひとつでも、お読みいただいた方の参考になることがあれば嬉しいです。


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