自曲のサブスク配信で躓いた話(前編)
あんまり需要が分からなかったのとメインがBandcamp/BOOTHであるためにそこまで乗り気ではなかったんですが、思い立ってSpotify等のサービスに自作曲を配信してみるかという事になりました。
前置き
元々前レーベル在籍時にレーベル側でストリーミング配信を設定してくれていたのですが(現在は配信停止済)、実際の収益はBandcampの売り上げがほとんどである事、(レーベル用の高い有料プランに入っていたのもあり)手数料が高くストリーミングで十分な利益を見込めない事など聞かされており収益に対してはあまり期待はしておらず損にならなければいいかなという程度に考えておりました。
実は数年前にも一度配信登録をしてみようと思ったことがありました。その時は海外のディストリビューターを2社程試してみたのですが、個人的に納得できない点が2つあり断念しました。
毎年配信料金が発生する年額制である事と、日本語/英語のアルバムは曲名も日本語/英語に強制される事です。
たしか当時そのサービスでは毎年アルバム1枚ごとに3~5千円程度の配信料金が掛かるとの事で、1再生0.5円等と言われる中で料金分をペイできるのかという疑問がまず大きかったです。毎年料金を取られ続ける中で再生数を維持できないと損が膨らみそうで躊躇する結果になりました。
言語設定の壁としては、使用したサービスに『日本語のアルバムは曲名も日本語でなければならない』というような制限が設けられており、個人的にはかなり納得できないところでした。
拙作で言うとアルバムの言語が日本語であった場合「CHIPSCAPE」というタイトルが「チップスケープ」になり、「Paint Your Magic」という曲名が「ペイントユアマジック」にされてしまうという事です。これは「あの日見た空」という曲名を日本語で表示させる為の代償としては大きすぎると感じました。逆に他をアルファベットで表示させたければ「Ano Hi Mita Sora」になってしまうというジレンマ。
このあたりで自分のイライラが限界に達し配信登録を諦め返金処理し登録解除した記憶があります。沸点が低いので。
改めてディストリビューターを比較
さて、現在いくつかのディストリビューターを調べてみると上で挙げたような問題は意外と何とかなる可能性が出てきました。実は当時からあったけど見つけられていなかっただけかもしれませんが……
まず年額制に対しては、現在様々な料金体系が設けられておりました。特に魅力的に感じたのは以下のプランです。
リリース毎に初期費用として数千円払う事で以降半永久的に配信できる
初期費用0円で半永久的に配信できる
もちろん初期費用のみ/それすらかからない代わりに収益の分配率が年額制よりも低い事がほとんどです。しかし収益がいくら低くても収支がマイナスにならないのは魅力的だと思いました。年額制だと誰も聞いてくれなければ毎年登録アルバム毎に数千円を失い続けますからね。
次に英語と日本語の表記に関しては、登録時に英語での表記と日本語での表記をそれぞれ記述できるようになっていたり、また現在ではアーティスト名がカタカナに強制される規制を撤廃したりという事もあるようです。この辺りもサービスごとに違うと思うんですが、あまり詳しい情報が見つかりませんでした。自分が今回選んだサービスでは日英両言語での登録を求められたので、恐らくちゃんと表示してくれるのでしょう。カタカナでの併記も求められたので実際どうなるかは配信開始してからでないと何とも言えませんが……
という事で以前感じた問題はなんとかクリアできそうなので、とりあえず国内のディストリビューターに登録してみました。
しかし次回、思わぬ障害が襲う―――!! (続きます)
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