続・安くCDを作りたい話

前回、CD制作の単価をなるべく下げるために色々と調べた訳ですが、
個人的にまた気になる部分が出てきたので再考してみる事にしました。

バルクコピーするCDの品質

Kunakiに慣れきっていた(後述)のであまり考えてなかったんですが、
プレスではないコピーCDとなるとよく売ってるようなレーベル面が白い
ホワイトディスクが一般的です。そしてホワイトディスク盤面への
印刷っていうのが

・ポイント印刷
テキストやロゴだけのような簡易的なデザイン。

・フルカラー印刷
盤面全体に渡るイラストや写真等が入るデザイン。

の2種類から選ぶケースが多いみたいでした。
ポイント印刷だと買ってきて録画したDVDにペンでタイトル書く感じの
延長線上みたいなイメージがあってちょっと…という感想。
とりあえずフルカラー一択かなと思いました。

そしてさらにディスクの違いがあるらしく、

・一般メディア
海外製のごく一般的なCD。

・高品質メディア
太陽誘電とかその後継、代替品と言われるような高品質な音楽用CD。

・ウォーターシールド
耐水性があり、湿気や水濡れの影響が少ないので経年劣化しにくいCD。
インクジェットプリントで印刷ができて、光沢のある仕上がり。

この3種類が一般的みたいです。
改めて過去に買った同人CDを見てみると一般メディアを使用している例が
多かったです。プレスでちゃんと刷るかコピーの一般メディアで済ますかの
2極化を感じました。逆に手持ちの同人CDの中ではウォーターシールドを
使ってると思われる人がいなかったです。
前回調べた価格は基本的に一般メディア使用での単価でしたが、後述
するKunakiの盤面の質感はウォーターシールドに近く、ここから
一般メディアに変更する事にそこそこ抵抗を感じたので、とりあえず
ウォーターシールドでのコピーができる所を探して再び単価を探ります。

SOUND PRESSの盤面印刷

あと調べてる中でSOUND PRESSだけちょっと仕様が違ったのでメモを。
熱転写プリンタでを利用した印刷で、クレジットカード等と同じプロセス
っていうのがよくわからなかったですが(UG印字に近いって事か?)、
擦れ傷や色褪せに強いみたいですね。ただし400dpiなので細かい文字や
線には弱く、色ずれしやすいというデメリットもあるようです。
普通のインクジェット印刷でもあまり細かい文字には強くないような気が
するのでそこまで気にしなくてもいい気はしますが。
前回SOUND PRESSのコピーは他社より高いという結果にはなりましたが、
この辺の方式による品質の違いで値段が上がってるのかもしれません。

追記
kaguyadepthとコラボ制作したツァイトライゼパンツァーがちょうど
SOUND PRESSで刷ったCDという情報を得たので見てみました。

画像1

細かい文字でもちゃんと綺麗に出てました。シンプルな2色だからと
いうのもあるかもしれませんが、滲みやズレみたいなのは無かったです。

画像2

盤面の質感はツヤのある光沢。スベスベではなく独特な手触りですが
高級感があります。確かに他とは違う独自仕様みたいですね。
見た目は一番プレスのシルク印刷に近い印象です。

Kunakiの盤面印刷

さて、それでは今まで利用していたKunakiですがCDの仕上がりは光沢が
あり、多少水がかかっても拭けば問題ないのでウォーターシールドなの
かな?という感じです。一応Kunakiのサイトを確認してみると、

"We print digitally in full color directly on the disc surface, and case inserts and covers. We don't use peel-able labels or inkjet printers."

との事でした。
盤面に直接フルカラーでデジタル印刷し、剥離可能なラベルや
インクジェットプリンターは使用していません。
というような書き方なんですが、ウォーターシールドという書き方は
されておらず、デジタル印刷というのもちょっとよくわかりません。
一般的にデジタル印刷と言えば版を作ってそれを元に転写していく物だと
思うので、普通のインクジェットプリンターのコピーではないですよって
事なのかな。剥離可能なラベルっていうのもちょっと謎でした(光沢感は
シール状のラベルを貼ってるわけではないという表明?)。
とりあえずウォーターシールドと仮定して話を進めていく事にします。

追記
Kunakiは当然自宅に在庫があるので併せて確認してみました。

画像3

質はそんなに悪くないです。先のSOUND PRESSと比べると線が少し
ぼやけるような印象が否めませんが許容範囲だと思います。
一般メディアへの印刷と比べれば断然こちらがいいでしょう。

画像4

盤面は光沢はそこまで無くマットな質感ですが、それなりに光も反射して
一般メディアよりは全然高級感があります。手触りは割とサラサラです。
同人で出すCDとしてはこれで文句ないでしょう。

Kunakiもバルクやってた

そして完全に見落としてたんですが、KunakiはCDのみのバルクコピーも
扱いがありました。なんなら紙ジャケットやVinylとかもやってた。
Kunakiで困るメインの理由が送料の値上げとケースの破損だったので、
もしディスクだけ送ってくれるのならケースの破損問題は解決されるの
では?という事に。後は送料込みの単価にもよりますけどね。

CD単価再比較

それではウォーターシールドメディアに対応したサービスをいくつか
調べて、単価を比較していきましょう。厳密にはウォーターシールドでは
ないですがSOUND PRESSとKunakiも入れて比較します。

Kunaki
SOUND PRESS
TECHTRANS
ORIGIN

の中で、50枚として比較します。

Kunaki: 48円
SOUND PRESS: 221円

TECHTRANS: 166円
ORIGIN: 177円

えっ…
Kunakiだけ桁が違いました。というか3分の1です。
元々完パケの時点でも相当安かったので当然といえば当然ですが、それでも
驚異的な安さだと思います。ただ前回も問題になったのが送料。
それぞれの北海道への送料を込みで考えると、

Kunaki: 133円
SOUND PRESS: 221円

TECHTRANS: 194円
ORIGIN: 208円

となり、今回は送料込みでもまだKunakiの方が安いという結果に
なりました。半額とまではいきませんがかなり安いです。
そして驚くべきことに前回一般メディアで送料込み最安だった
TECHTRANSの146円よりも安いんです。
オプションとして料金が加算されるウォーターシールドが、国内で
一般メディアを刷るより安く生産できるという事になりますね。

結論

ウォーターシールドのバルクでCDをコピーする場合は、
送料込みでもKunakiが最安値かつ一般メディアより安いという
結果になりました。Kunakiは入稿も楽だし元々それ用にイラストの
データを作って頂いてたので嬉しいですね。

以上。

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