安くCDを作りたい話

今まで出してきたCDはすべてKunakiを利用しておりました。
レーベルがそこを使ってたから倣って個人レーベルになってからも
利用していく…はずだったんですが、色々問題が出てきたので
今後について考えてみることにします。

Kunakiの何がいいのか、悪いのか

まずKunakiを使うメリットなんですけど、

・在庫が発生しない
・世界中に送れる
・1枚当たりの単価が安い
・レーベルやジャケットが.jpgで入稿できる


といった所ですかね。

在庫については、音と絵を入稿してしまえばそのまま登録が完了して、
後は送り先を入れて注文掛ければ1枚から製作、発送までやってくれる
ので、家で在庫を抱えるってことがないです。
個人的にこの手軽さはかなりデカいと思います。

世界中に送れるというのは、その通りでニューヨークの工場から世界に
そのまま発送できます。別に国際郵便で自分で出しても同じ事なんですが、
パソコン上で入力するだけで勝手に梱包・発送してくれるのは楽。

単価に関しては、1枚発注の場合$1.2です。ただし6枚以上は$1.6に
上がって後は100枚くらいまで単価が下がりません。
基本1枚ずつ売れて注文ごとに送る訳なので大体1枚しか作らない事を
考えるとかなり安いと思います。質はさておき。

jpg入稿は個人的には助かる(.aiや.psdを使用する事が基本的にない為)
んですが、実際はジャケットの依頼を出すイラストレーターの方が
大体illustratorかphotoshopを持っているので関係ないっちゃ
関係ないかもしれません。

じゃあデメリット、もとい最近の問題は?というと、

・送料の値上げ
・配送の過程での破損

が今一番大きいです。

万国郵便条約の影響で送料が20%上がりました。日本までの送料を含めた
1枚あたりのコストを考えると、もはやプレスで100枚刷るのとあまり
大差ないです。在庫抱えなくていい事と引き換えにプレス刷れる値段で
高品質とはいえないコピーCD-Rというのはちょっと割に合わないすね…。

配送の過程での破損もかなりの問題でしょう。BOOTHを始めるにあたって
1度自宅に在庫を確保しなければならない関係上CDを20枚くらい発注した
んですが、届いてみるとケースが割れまくっていてまともに売れる在庫は
半分くらいになってしまっていました…
さらに前まではある程度の数を発注すると段ボールに入れて送られて
きたんですが、今回は4枚同梱して「1枚ずつエアクッション」ではなく、
「4枚重ねて外側にエアクッションを1重巻き」で厚めの
クラフト封筒なのでまぁ全然割れてもおかしくないなという感じ。
どんなにコストが低くても売る事が出来なければ即ちただの損失なのです。

ただ、今回値上げを見て発注数と送料で変動するコストで一番安かった
「4枚ずつ注文」という方法を取ったので箱じゃなかったという可能性も
なくはないので、現在追加で17枚(次にコストが低かった)一括で発注して
どう送られてくるか様子を見ています。

まぁ以上の問題ってKunakiが悪いかって言われたらそうでもなく、配送や
送料の問題なんですが、Kunakiを利用するにあたって考慮すべき事として…

今後どうする?

とりあえず今回の発注でKunakiをこれ以上利用する気持ちにはなれず、
国内でなるべくコストを抑えて制作したいと考えました。
完パケ、コピーのみのバルク、ジャケットのみ、セットで組み立てだけ
自前、等様々な注文方法、サービスがあったのでいくつか比較してみる
事にします。

CD制作にあたっての条件

とりあえず探すために条件をある程度設定します。個人的に妥協できる
範囲では、

・50枚程度で注文できる(100は要らない)
・組み立ては自分でやっても構わない
・在庫の場所は取りたくない
・レーベル印刷込み
・発送までの営業日は考慮しない
・なるべくコストは下げる

といった所でしょう。
50枚程度というのは今までの自分の「CDのみ」の注文数を見て捌けそうな
在庫数がそれ位という事です。
Bandcampではありがたい事に200くらい注文頂いてるんですが、
ほとんどがデジタル版の注文なので、CDの売り上げはCSが20枚、
NNSMDが各50枚といった所です。実際はこれ以外にライブでの手売りや
即売会・イベントでの委託などあるのでもう少し出てますが100は
行かないんじゃないかなと思います。80もあればいい気がする。
今後BOOTHにおいてみて少しでも売れそうなら100も考えます。

組み立てと在庫の場所に関してですが、完パケで在庫を持つと当然完成した
CDが50ずつ部屋に置かれることになるのでちょっとキツいなと。
寝室に引っ越したままの段ボールがたくさんあるので整理すれば
何とでもなりますけどまぁ。
バルクでコピーしたものをスピンドルとかに刺しといてジャケットは
重ねて別途保管、ジュエルケースは50位確保しといて注文が入ったら
組み立てて送る、というのが場所も取らずよさそうだなと思いました。

レーベルは家で刷る事は考えていません。流石に仕上がりが違うので。
フルカラーで印刷してもらいます。

〇営業日後に発送、というのもサービスごとに多少違いがありますが、
僕の場合即売会とかの締め切りがあまり関係ないので無視します。

コストは当然低いほうがいいでしょう。

以上の条件を見ながら、何社か見て良さげな所を探します。
実績がありそうでサイトを見てまともそうな所を3社選んでみました。

SOUND PRESS
バンドのミカタ
TECHTRANS

とりあえずこの中で見ていきます。

CDコピー

プレスだと基本100枚からですが、コピーだと3社共50枚からOK。
ちなみに各社最小ロットは

SOUND PRESS: 5枚から
バンドのミカタ: 10枚から
TECHTRANS: 30枚から

でした。
SOUND PRESSはレーベル印刷のみも可能(コピーは自分でやる)、
TECHTRANSは太陽誘電メディア使用のオプションがありました。
個人的にバンドのミカタとTECHTRANSが10~100枚まで単価が変わらない、しかも安いのがかなりポイント高かったです。しかしここは北海道、
送料がかかります…。送料は

SOUND PRESS: 3000円以上送料無料
バンドのミカタ: 北海道は3240円
TECHTRANS: 北海道は1梱包に付1400円

でした。バンドのミカタ、離島のみ送料がかかって結構高い(それ以外は
無料)です。北海道にもミカタしてくれ。逆にSOUND PRESSは
CDコピーで3000円は確実に超えるので実質全国送料無料です。

50枚で見た場合、1枚当たりの単価はおよそ

SOUND PRESS: 221円
バンドのミカタ: 113円
TECHTRANS: 118円

となり、バンドのミカタが最安値です。しかし先ほどの送料込みで見ると、

SOUND PRESS: 221円
バンドのミカタ: 178円
TECHTRANS: 146円

に変わります。本州等にいる方はバンドのミカタを、北海道在住なら
TECHTRANSを使う
のがいいかなと思います。
ただSOUND PRESSも無意味に高いわけではなく、Officeのデータを入稿
できたり、校正・修正サービスがあったりします。とはいえ別料金なので
あまり関係ないですが…やっぱ高いかも。質がいいのかもしれないですが
それぞれのサンプルとか見たわけじゃないので値段の判断しかできません。

ジャケット印刷

ジャケットですが、今までのリリースに倣いフロント2P(ペラ1枚両面
カラー)、バックインレイ片面カラーで考えます。帯は別になくても
いいかなと思ってます。オフセット印刷とオンデマンド(デジタル)印刷が
選べますがここはオンデマンドで。

まず最小ロットですが、

SOUND PRESS: 10枚から
バンドのミカタ: 100枚から
TECHTRANS: 30枚から

でした。バンドのミカタは印刷物はプレス同様100からみたいですね。
50枚で比較したいのでとりあえず2社を比較します。
1枚当たりのコストは、およそ

SOUND PRESS: 60円
TECHTRANS: 78円

になります。例の如く送料を入れると、

SOUND PRESS: 60円
TECHTRANS: 106円

です。そもそもの料金の安さとさらに送料無料が効いてSOUND PRESSが
かなり安いですね。一応100枚でも見てみると、

SOUND PRESS: 38円
バンドのミカタ: 62円
TECHTRANS: 78円

送料込みで
SOUND PRESS: 38円
バンドのミカタ: 95円
TECHTRANS: 92円

こんな感じになりました。バンドのミカタの送料の高さで下2社が
入れ替わりましたが、そもそもSOUND PRESSが安すぎてあまり関係
ないですね。送料無料ってすごい。

次にバックインレイです。これもバンドのミカタのみ100なので除外、

SOUND PRESS: 61円
TECHTRANS: 78円

送料込みで
SOUND PRESS: 61円
TECHTRANS: 106円

になりました。この差はデカいですね。
一応100枚でも見てみましょう。

SOUND PRESS: 39円
バンドのミカタ: 90円
TECHTRANS: 78円

送料込みで
SOUND PRESS: 39円
バンドのミカタ: 122円
TECHTRANS: 92円

になりました。SOUND PRESS、バグか?
CDが高かった分ジャケットはかなり安いですね。主力商品が違うのかな。

あと忘れちゃいけないというか、ジャケットに関してはフロントと
バックインレイがセットになった料金が各社存在しており、それぞれ
バラで注文するより少し安くなります。
SOUND PRESSだけインレイ片面帯なし、後2社はインレイ両面帯付きです。
これはSOUND PRESS以外は最小ロット100なので100で比較します。

SOUND PRESS: 69円
バンドのミカタ: 183円

TECHTRANS: 220円

送料込みで
SOUND PRESS: 69円
バンドのミカタ: 215円
TECHTRANS: 234円

になります。SOUND PRESS、バグか?2
帯なしでインレイが片面ではありますが、僕はそれでいいのでOK。
工数減らす代わりに料金がしっかり安いので優秀すぎます。
というか他2社の場合はセットでインレイ両面帯付きよりも
インレイ片面帯なしでバラで頼んだほうが当然値段は安いんですが、
それでもSOUND PRESSには及びません。どれくらい安いかというと
ほぼ半額です。

これは全国的にSOUND PRESSを使うべきかなと思います。ただし帯が
あった方がいいとかクリアケースなのでインレイは両面印刷で中も見せたい
等の需要があればその限りではないですが。

結果

北海道に住んでる場合、
TECHTRANSでCDをバルクコピーしてSOUND PRESSでジャケット類を
印刷する
のが最安値かなという感じです。
TECHTRANSの送料が「1梱包に付き」というのを考えると全部一括で
依頼すれば先ほどの比較より合計金額が少し安くなるんですが、
それでもSOUND PRESSのジャケット印刷の安さが買っているのでお得です。ちなみに50枚全部TECHTRANSで製作して送料が一括で1400円だったと
仮定した場合の1枚あたりの製作費は302円ですが、上記の方法で制作した
場合の製作費は1枚当たり255円です。ここに後ケース代と手軽に包装
できるOPP袋を追加して大体317円って所でしょうか。
ここまで考えるとKunakiが完パケで$1.2なのも異常だったなという事に
気づきますが…Kunakiの送料込みで最も安い単価は$5.19なので日本で
となるとやはりこれが正解でしょう。

ただ入稿先が変わる事で指定サイズや様式も変わってしまうので
どうするかはもう少し考えてみたいなと思います。
ほかにお勧めの製作サービスとかあったら是非教えてください。

終わり。 続編も書いた。

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