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Vol.8 その階段は知ってる!

SNSにて相互フォローしてる方で、ラジオネームでは『Crazy Max』と名乗ってる方(注1)がいらっしゃいましてね。先日、その方の書き込みに影響されて、劇場で観た映画が『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』(注2)

実は、今作に至る『「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズ』を全く観た事がないどころか、白石晃士監督作品は『貞子vs伽椰子』(注3)しか観たことがなかった私。
しかし『貞子vs伽椰子』は劇場公開時、面白くて2回も観たので「ホラーは苦手だけど、まぁ楽しめるだろう」と鑑賞に臨んだ次第。

実際に観てみれば、設定等々は一見さんでも問題無く観られる安心設計!?な事に加え、予想していたテイストと、全く異なるベクトルの話運びに『あぁ、こういう面白さを狙った作品か…コアな固定客がつくのも分かる』と思わずニヤリ。
主観ショットの連続で映像酔いしたものの、大いに楽しめました。

ちなみに、今作においては「別の角度で楽しめたポイント」がもう一つありまして、それがロケーション。…主なロケ地が、2018年にヒットした映画『カメラを止めるな!』(注4)と同じロケ地だったんですよね。
お陰で「建物の構造」が頭の中に入ってる状態なので、話が飲み込みやすい(笑)

そして、この『カメラを止めるな!』とのリンクには、もう一つ味わい深いモノがありまして…
それは2018年 某所、映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(注5)の舞台挨拶での出来事。
湯浅弘章監督と共に登壇されたのは、「志乃ちゃん~」「戦慄怪奇ワールド~」共に、プロデューサーとしてスタッフロールに名前を連ねている田坂公章さん。
その田坂さんが語られた、企画の立ち上げに至るまでの裏話が
『ほんとは ”コメディタッチのホラー映画”の企画 を進めていたんだけど、それがポシャってしまって、代わりに この企画を立ち上げる事になったんですよ。…ちなみに今、そんな感じの映画(カメラを止めるな!)が当たってますよね?(笑)』
…というもの。
それも踏まえると、更に二重三重でなかなか味わい深い作品でした!
(※なお人によって、”作品のノリ”に乗れる・乗れないがハッキリと分かれるタイプの映画ですので、もし ご興味を持たれた方は{映像酔いと併せて}ご注意!?下さいませ!)

では、今週の締めの吃音短歌(注6)は…

アディショナル タイムくらいは スムーズに 言わせてくれと 塵に帰る日

【補足】

注1)Crazy Maxさん

SNS上でしか やりとりしたことはないものの、筆者よりも明らかに映画リテラシー高くて、定見をお持ちと伺える方。
noteでもいくつか記事を書いてらっしゃいます。

注2)映画『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』

” バズる動画 ” を配信するために、とある廃墟に侵入した男女三人組が目撃したのは、謎の赤い女だった。
さらなる衝撃映像を求めて、廃墟へ向かう怪奇系ドキュメンタリー班だったが…
※「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズの8年ぶりとなる最新作。

注3)映画『貞子vs伽椰子』

怨霊”貞子”の呪いにかかった倉橋有里と、怨霊”伽椰子”の呪いにかかった高木鈴花の双方を除霊するために、霊媒師の常盤経蔵が考えた作戦は、「バケモンにはバケモンをぶつける」という荒業だった…
※企画段階で、嘘予告がSNS上のエイプリルフールネタとして配信されたことで実現した作品。

注4)映画『カメラを止めるな!』

とある廃墟で撮影中のホラー映画のクルーたち。完全に手詰まりの様相を呈していたため 一旦休憩に入ったものの、それは怪奇現象の幕開けだった…
※二転三転する巧みな展開が評判を呼ぶという、いわゆる『カメ止めブーム』を2018年に巻き起こした話題作。

注5)映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

押見修造による同名コミックの実写映画化作品。
” スムーズな発話ができない、高校一年生の大島志乃 ” と、同級生で ” 音楽好きにもかかわらず音痴な岡崎加代 ” の出会いと交流を描いた青春映画。
※なお、『「 ” 症状を持つゆえの特有の問題 ” と捉えてほしくない」という原作者の意向』により、大島志乃の発話障害について「吃音」(もしくは「どもり」)と呼ばれたり、指摘されるセリフは無い。

注6)吃音短歌

筆者のハンディキャップでもある、吃音{きつおん}(注7)を題材にして詠んだ短歌。
この中では『「吃音」「どもり」の単語は使用しない』という自分ルールを適用中。

注7)吃音(きつおん)

かつては「吃り(どもり)」とも呼ばれた発話障害の一種。症状としては連発、伸発、難発があり、日本国内では人口の1%程度が吃音とのこと。


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