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くるはらきみの画室

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自然の中で暮らしながら絵画や人形を制作するくるはらきみの小部屋。油彩を中心にちいさな祈りを込めた作品を発表します。
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#少女

ヒルデガルトの小径|くるはらきみ|ヒルデガルトを辿って

 中世の修道女ヒルデガルトは、あまりに偉大で、遠い存在のように思える。しかし、くるはらきみの、丁寧に紡がれた作品の一つ一つが、ヒルデガルトと私たちが、遥かな時間を超えて、創作と自然という悠久の糸でつながっていることを教えてくれる。  その存在の大きさに身をすくませる必要はない。一歩ずつ着実に、身近な場所から、ヒルデガルトを辿って。  作家が描き出したのは、自然の恵みをいっぱいに享受しながら、仕事に精を出すヒルデガルトたちの日常。湯気が立っているのは煮詰めた果実の鍋だろうか。

レース模様の図書室、再訪|くるはらきみ|レース専門の図書室

TextKIRI to RIBBON  光と新緑が織りなすレース模様を楽しみながら、麗らかな気持ちで到着した菫色の図書室——扉を開けた途端、歓声をあげてしまいました。一夜にして、菫色の図書室が「レース専門の図書室」に様変わりしていたのです。    午後のひととき、ちいさな司書さんと一緒に、レースと戯れてみたいと思います。 * * *  此処は、昨日までと同じ菫色の図書室なのでしょうか。  日本語、英語、仏蘭西語——昨日まで背表紙にあった文字という文字がすっかり消えて

レース模様の図書室|くるはらきみ様のご紹介

くるはらきみ Kimi Kuruhara  画家・人形作家 →HP 東京生まれ。多摩美術大学油画専攻卒業。四谷シモン氏や土井典氏の人形作品に大学生の時出会い、人形を独自に作り始めました。卒業後は建築設計の仕事などに携わっておりましたが、2000年に長野県に移住して以降は、自然に囲まれながら絵画と人形の制作に専念しています。1999年「新世紀人形展」入賞。 [個展]2002年「サンクチュアリ」(ギャラリーノンク・プラッツ)にはじまり、以後数年おきに個展を開催。2015年「子