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「忘れてもいい夢」リモート演劇用脚本版

コラボレーション企画です。

同じ作家ユニット・トライライターズの尾崎氏の短編小説作品を脚色してリモート演劇化してみるという試みです!

まずは元の小説の方を!

ここから、この小説をどう私が脚色してリモート演劇台本にしたのか!

ーーー本編

「忘れてもいい夢」
          原作:尾崎太祐
          脚本:ササキタツオ

《企画意図》
 作家ユニット・トライライターズで一緒のロボット劇作家の尾崎太祐氏が書いた短編小説を原作にして、ササキタツオがリモート演劇用脚本に仕立てました。二人の作家のコラボレーション企画です。

《人物》
女子(18)高校3年生
男子(18)高校3年生

《本編》
〇ズーム画面 それぞれの部屋(夜)
   それぞれの部屋で試験勉強している女子と男子。
女子「ねえ? 夢ってさー、なんですぐに忘れちゃうんだろ。なんか、覚えとかなきゃいけない夢ってあると思うんだよね」
男子「(勉強しつつ)まあ、そうかもな」
女子「今日の夢は結構インパクトあったのになあ……どこへやら(遠い目)」
男子「忘れてんじゃん」
女子「起きた時、輪郭は覚えてたのよー」
男子「輪郭だけって、それ、忘れてもいいような夢だったんじゃないの?」
女子「ああっ! すんごいモヤモヤする! ぜったい、気になって寝れないわ」
男子「お前、布団入ったら3分で寝落ちするタイプだろ」
女子「カップラーメンみたいに言うなし!」
男子「夢なんかより、もう少し覚えとかなきゃいけないことあるだろ、試験近いんだし」
女子「忘れてもいいような勉強に興味ない」
男子「生涯忘れられない点数になるぞ?」
女子「それはそれでいい思い出になるかも?」
男子「あのな、受験も近いんだから……」
女子「そんなに勉強してさ、なんになるわけ?」
男子「知らんがな。とにかくやるんだよ、将来のために。コツコツ積み上げるの」
女子「それで? 将来なんになるの?」
男子「わからんけども」
女子「わからんけども、ねー」
男子「あのな」
女子「私、どんな進路になっても、どんな未来になっても楽しく毎日やってると思うな」
男子「うん、お前の場合は、そうかもな」
女子「でも。やっぱり今が一番好き!」
男子「それじゃ、今できることをやりなよ」
女子「だから頑張って夢を思い出してる!」
男子「(やや呆れて)あ。そうですか……」
女子「(思い出したように)ねえ。10年後も、このまま変わらないでいられるかな?」
男子「え? このままって?」
女子「いま思い出したの。私の夢。10年後も、私たち、二人でこのまま、いつまでもこうやってずーっと話してるの。そんな夢」
男子「それ、別に忘れてもいい夢なんじゃ?」
女子「わかってないなー。全然、わかってない! それじゃ、また明日ズームでね!」
   女子、敬礼して画面オフになる。
   男子、不思議そうに残る。 (終)

  これで尺は2分20秒です。

もしよければPDFでもお読みいただけます。こっちの方が書式が縦書きできちんとしています。

ーーー

さて、コラボ企画いかがだったでしょうか。

トライライターズの尾崎氏は最近毎日noteを更新しております。

様々なアプローチで実験的に作品を作ってい見ているとのこと。

まさに《トライ》!

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。