【声劇台本】076「ロンリー・インデックス」

「ロンリー・インデックス」

《人物》
立川美波(17)高校2年生。
三鷹創一(17)高校2年生。

《本編》
美波「君は私のものじゃない。でも。まだ誰のものでもない……だから……私は……」

美波のMO「仲の良い君と今日も放課後の勉強会。君は真面目に、教科書に付箋を入っていた。私は、全然集中できなくて、さっきからノートに問題を丸写ししていた」

創一「美波。真面目にやれよ」
美波「問題の出題者の意図を考えているのです」
創一「もっともらしい、いいわけ」
美波「ねえ。創一。付箋かして」
創一「小さいのでいい?」
美波「うん。その青いのがいい」
創一「美波さん。これ、あと少ししかないヤツなんですけど」
美波「ケチケチしない」
創一「仕方ねえなあ……」
美波「サンキュ!」

美波のMO「付箋を一枚多くとる。そこにメモを書いて、そして君の背中に貼り付ける」

創一「な、何すんだよ」
美波「ビックリしすぎ」
創一「いやいや。いきなり背中叩かれた驚くだろ、普通」

美波のMO「そう言って、君は背中を触る」

創一「ん……?」

美波のMO「君は私の付箋に気がついた」

創一「おい。美波。ひとの背中に……。ん? お前な……これ、バカって書いてあるんですけど……」
美波「私なりの感謝の気持ち、表してみてた」
創一「ふざけるな。付箋無駄遣いして」

美波のMO「そういって君はその付箋を丸めてゴミ箱に捨てた。ああ、残念」

創一「ふざけてないで。勉強」
美波「はーい」

美波のMO「今日はばれちゃったけど、いつか君が私のものになる日が来るといいな! なんて!」

(おわり)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。