見出し画像

【声劇台本】074「コラ・コラ」

「コラ・コラ」
《人物》
大原哲(17)高校2年生。
小松真美(17)高校2年生。

《本編》
真美「幼なじみの哲ちゃんと、バカみたいな話をしながら帰るのが私は好きだ」

哲のMO「高校生にもなって、幼なじみの真美とは、特に何かあるわけではないのだが。一緒に帰っていた。腐れ縁とは恐ろしい」

真美「コアラ」
哲「ラッコ」
真美「コ、コアラ!」
哲「ラ? ラ……ラッコ!」
真美「待って!」
哲「なに?」
真美「二回言った」
哲「は?」
真美「二回、言ったじゃん」
哲「なにが?」
真美「ラッコって二回言った」
哲「いや。それはおまえがコアラって2回言うから」
真美「言ってない」
哲「巻き戻してみ」
真美「ええと。コアラ、ラッコ、コーラ、ラッコ。ほら」
哲「コーラって何だよ」
真美「飲み物」
哲「おまえな。動物縛りのルールも無視かよ」
真美「誤魔化したのばれたか」
哲「ばればれ」
真美「あ! コブラ!」
哲「は?」
真美「コアラ。ラッコ、コブラ! これならいいでしょ。はい。次。哲ちゃんの番」
哲「ラ、ラ、ラクダ」
真美「ダルメシアン。あ!」
哲「はい。真美の負けー」
真美「しまったー。もう一回!」
哲「まだやるのかよ……」
真美「私が勝ったら終わりにしてあげる」
哲「それじゃあ、ゲームになってねえし」
真美「じゃあ、始めるよ。コアラ!」
哲「またコアラかよ」

真美のMO「哲ちゃんと一緒に帰るこの時間が私は何より好きだ」

哲のMO「真美は勝手だけど、まあ仕方ない。本当に、腐れ縁とは恐ろしい」

(おわり)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。