マリオネットの冒険 〜時計とオルゴールと
マリオネットは、ショーウィンドウに飾られた一つひとつの売り物に近づいた。呼び名も知らないひとつひとつに、虚勢を張って語りかけた。
「『君たち』は、何のためのものなのか。君らだけにできるのは何なのか」
まず時計に近づいた。正確には、それが時計であるとはマリオネットには分からない。丸いもの。立ち上がった自分の腰よりも少しだけ背が低く、平らな面の中央で三本の針が束ねられている。二本は細長く、そのうちの一本はとりわけ長く、もう一本は短く中央が太くなっている。うしろには鍵のようなものが