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IT系会社員がコーヒー屋になるまで④(終)
創業塾の受講を終え創業のための融資を実質無利子で受けられることとなり、2019年の下旬に入ってからいよいよ本格的に店舗オープンの準備を始めた私たち。
オープンに向けてやらなくてはいけないことは大きくこの2つ!
①店舗改装工事
②メニュー開発
①店舗改装工事
まずは何もない状態の家の一階部分を店舗として使えるように工事をする必要がありました。
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ちなみにこの物件を仲介してくださったのは、堀切菖蒲園の不動産屋さん「アヴァンセ」。実は私たち、たまたまオープン初日だった「アヴァンセ」の最初のお客さんで、そんな縁もあって社長の永原さんとは今でも仲良くさせていただいてます。
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店舗改装工事をしてもらう業者さんは、その永原さんの地元のご友人の菅谷さんご夫婦をご紹介いただきました。
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建設業を営まれている菅谷さんご夫婦。
旦那様は長年の経験を活かして的確な提案をしてくださる職人肌。
奥様は忖度なしに思ったことをズバズバおっしゃる直感タイプ。
お二人は時に(というかほぼいつも笑)私たちの前で喧嘩をしながらも、コロコロ変わる私たちの要望に親身に対応してくださりました。そして最初に提案いただいたのは、キッチンをカウンターで囲うような酒場風の配置でした。
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その後、スペースを有効に使うためにキッチンを入り口側に設置し、かつ受け渡し用の窓をつけることでテイクアウトにも対応できる現在の形を提案いただきました。
こちらは奥様のアイディアだったのですが、コロナ前の段階でテイクアウトに注目してくださったのは今となっては超ファインプレイとしか言いようがありません!
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工事の方は2020年1月中旬より着工。費用を抑えるために自分たちでできることはやらせてもらい・・・
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2020年3月中旬に工事が完了しました。
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②メニュー開発
漠然と飲食店をオープンすると決めた頃、「アヴァンセ」の永原さんに堀切菖蒲園近辺によく飲みに連れて行っていただいたのですが、いわゆる「ボール」(下町ハイボール)という飲み物に出会いドはまり。自分達のお店も下町の酒場のようなメニューを出したいなと考えるようになりました。(店舗のレイアウトをカウンターにしようとしていたのもこの時期(笑))
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しかし冷静になって考えてみるとこんな疑問が。
「いやいや、コーヒーは?」(笑)
こんな具合に迷走していた2019年下旬頃、経営について中小企業診断士など専門家の方に相談ができる無料のサービスがあることを知り相談に行くことにしました。
そのサービスとは「よろず支援拠点」という国が設置している経営相談所で、何度相談に行っても無料というありがたい制度です。以前書いた「創業塾」では経営についての総論的なことを教えてもらいましたが、この「よろず支援拠点」では自分の事業についてより具体的な内容を一緒に考えてもらえます。
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私たちが担当いただいた中小企業診断士の金子さんからは、よくこんなことを言われました。
・なんでもあるお店より、何かに特化したテーマがあるお店の方が魅力的
・一品でもいいから「それを食べに行きたい」と思わせるメニューが大事
・映えるポイントがあることは重要
そんな助言をいただきながら、半年ほどの間相談をさせていただき、最終的に行き着いたお店のテーマが現在の
「自家焙煎コーヒーとスパイス料理のお店」
そして、そのテーマに沿ったスパイスを使ったメニューを採用することになり、本格的なレシピ開発を始めたのでした。ちなみにメニューの試作品は、店舗工事に来ていただいた業者さんに日々試食してもらってフィードバックをいただきながら改良を進め、自分たちが納得できるレシピが準備できました。
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そしてオープンへ・・・
店舗工事が完了し、メニューの準備も整い、2020年5月に開業する予定で準備をしていたのですが、新型コロナウイルスの蔓延によりオープン時期を延期。
「こんな時期に飲食店を始めて大丈夫だろうか」、「受け入れてもらえるだろうか」。そんな不安を抱えたまま、1回目の緊急事態宣言が解除されて約1か月後の2020年7月1日、テイクアウトのみで営業をスタートしました。
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オープン初日はもはや記憶が曖昧なくらいバタバタしていましたが、「オープンするのを楽しみにしていたよ」とか「頑張ってね」なんて言葉をかけていただき大変勇気づけていただきました。
コロナに関して色々と心配はあったものの、今となってはテイクアウト営業も定着してきたと感じますし、まいこのエンジニアの仕事もフルリモートとなり、結果として二人で営業する今のスタイルが実現できたので、悪いことばかりではないなと前向きに捉えるようにしています。
IT系会社員がコーヒー屋になるまで
これまで「IT系会社員がコーヒー屋になるまで」というタイトルで開業に至るまでのお話を書いてきましたが、会社員を辞めて10か月ほどで開業するに至ったものの、当初は自分たちが「コーヒー屋になった」という実感はそこまで沸いていなかったように思います。
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オープンから2年が経ち、
「いつもの!」と言ってエスプレッソを頼んでくださるお客さんがいて、
「ソイラテ、ガムシロ入りで」というお客さんがいて、
「酸味ないコーヒーがいいな」とコーヒー豆をお買い求めいただくお客さんがいて・・・
そんなすべてのお客さんに支えていただいて、ようやく自分たちは「コーヒー屋」と呼んでいただけるようになったのだなと思っています。
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ということで今回でこのシリーズはお終いとなります。
まだまだ未熟な「コーヒー屋」ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それではまた店頭でお会いしましょう!
文:てつや
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