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都市と地方をかき混ぜてみた[第1話 長野県岡谷市編]

みなさんこんにちは。この記事をご覧いただく場までお越しいただき、誠にありがとうございます。飲料や食品、地域特産品の商品開発をしたり、地方創生の事業をしたりして、全国から世界まで仕事をしている「カン」と申します。

 さて、今回、「都市と地方をかき混ぜる」を実践すべく、その第1話として、長野県岡谷市で農業を営む「五味農園」の五味あやさんに突然のお願いと電光石火のスピードで、都市と地方をかき混ぜてみたので、それの経緯と流れをまとめておきたいと思います。

1,野菜の行き場がないってよ![きっかけ]

いつもようにTwitterを眺めていたら、あるツイートが目に入ったんです。それがこれ、

え?土に還すしかないと…???これだけ育てたものが一瞬で畑に漉き込まなきゃいけないってどういうこと??と思い、「来てくれたら差し上げます」と書いてありましたが、関東圏とはいえ、東京と長野はそれなりの距離と時間がかかるし…ツイートに対するコメントも、「どうにかしてあげたい!」という思いのユーザーがたくさんいて、思いと現実のギャップが埋められない現実がそこにはありました。

 さて、どうしようか。解決策としては、
①着払いでも前払いでもいいからまとめて送って!(=通販支援)
②(近場に行ける)人にツイートして買ってもらう(=協力依頼)
③リツイート、いいねで多くの人に知らせる(=拡散協力)

どの解決策も、根本的に何か前向きに進むというものでもなく、平行線のままの状況が続くと予想が付きました。そう、「都市と地方」という距離は、近いようで遠く、遠いようで近づけられない、実際は簡単なものではないのです。

店頭のお店で、他県産の農産物が東京で買えるのは、当たり前のようで当たり前でなく、集荷して、仲卸して、物流で運んで、店頭で販売する。その何人ものリレーがつながって、いまこの都市の食べ物と食生活が成り立っているという現実。いつの間にか、都市に住む人の想像からは消え去ってしまっていたのです。

2、電光石火で「やっちゃえ!明日!」[準備作業]

 先にあげた解決策を取り、自分の無関心を決め込むことも可能でした。でも、今回ばかりは何かピンときたんです。

これって、都市と地方を繋げば、それこそあの高橋大先生がおっしゃっていた「都市と地方をかき混ぜる」ってことそのものなんじゃないかと。

都市に助けたい人がいる。
地方に困っている人がいる。

この2つをつなげるだけ。みんなが助け舟を出すかどうかわからないことよりも、助けたい人との間をつなげば、きっと大きな力になるだろう、と。

予定は…水曜日は開いてる!動ける!よしやろう!

と、いうことで、早速、農園の五味あやさんにメッセージを送り、段取りを超特急でまとめたのです。

①農園の野菜をハイエースバンで取りに来たい!▶五味さんへ
②収穫した野菜をポケマル本社で場所を貸してくれないか▶ポケマル

両者とも「OK!」を頂き、

☑早速移動手段の手配(ハイエースバンのレンタカー手配)
☑前日入りの宿手配(山梨県迄進んでおく)
☑空きダンボールや持ち帰り用のレジ袋の在庫かき集め
☑釣り銭、領収書準備
☑五味さん家族用お土産準備(大事!)

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(今回五味家のお子さん向けにハロウィンのお菓子をお土産に持っていたのでした。喜んでくれたかな?)

を立て続けに準備し、無事完了!手配当日の夕方にレンタカーをピックアップして早速向かったのでした。

3,安全に長野県まで往復だ!ハイエースバンで向かえ![行き]

 出張で小型車は到着してすぐ運転するのでいつでもどこでも運転だけはなれているのですが、今回は積載量を考えて、ハイエースバン!車高は高いし、車幅はあるし、車長もながーーーーい!レンタカー屋のお兄さんに「内輪差気をつけてくださいね♪」なんて言われて、ちょっとビビりながらの運転だったのはここだけの秘密(笑)

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高速道路を追い越し車線でビュンビュン抜かれながら、夜のうちに山梨県甲府市まで移動。翌朝再び高速道路で長野県岡谷市へ移動!無事、農園までたどり着くことができたのでした。

農園につくと早速朝から準備いただいていたお二人が収穫作業をしてくださってました!

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(二人揃っての写真はめづらしい?のかな…)

もうこれは時間との勝負!早速、農作業用の手袋をはめ畑へ。

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野沢菜収穫を手伝いながら、ご主人と会話。いろいろ考えてて面白い!(いや、話をしたら結構引き出しありそうですから、絶対YouTubeライブとかやったほうがいいと思う)

☑突然の農場閉鎖に至った経緯
☑これまでの農業への取り組み
☑これからの営農の計画や進め方

作業しながらでしたが、いろいろお話できました。細かい経緯は親族とのことなどがあり、それ以上、外野の立場で申し上げることは控えますが、皆様に心配されている五味夫婦の新しい農場への第一歩について、これだけは言えると思います。

「この二人、コレまで以上にきっと最強になる!」

 経験と、失敗と、知恵と、学びをすべて農業に注ぎ、短期間に農業だけで食べていける体制を作れた。これは素晴らしいことです。そして、新たな圃場でも、またたくさんの力や協力を得て、さらに新しい学びも含めて進もうとしている。正直「強いな!」と思いました。

「やっちゃえ!NI○SAN」っていうCMがありますが、この二人にピッタリの言葉は、

「やったるで!長野で!」

だと思います。二人の新しい一歩に期待大!そして、それについてくるポケマルファンのみなさんがいる限り、二人はきっと大丈夫。いやさらにもっと強力に、農業界の希望や模範となる生き方をしてくれると思います。

4,ポケマル本社へ新鮮野菜を届けよ![帰り]

 さて、収穫が終わった野菜を急いできれいに洗って、水を含ませ、ダンボールへ新聞紙を引き、積み込み作業を急ぎます。なんせ14時からポケマル本社で販売と告知している以上、時間を守らねばなりません。二人の手早い作業があり、あっという間に積み込み完了!

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(どう見ても、秘密に製造してた葉っぱを東京に密売しに行く怪しい密売人の車にしか見えねぇ…)

無事積み込み完了して、あとはポケマル本社にいって、これを助けてくださる方に引き継ぐだけ!安全運転で来た道をもどります!

 幸い、渋滞もなく、中央高速から首都高を経由し、2時間ちょっとで都心までやってきました。ポケマル本社はいまは北参道の小洒落いっかくのシャレオツなシティーボーイが通う街。無事到着し、社員総出でお手伝いいただき、本社にずらりと野菜が並んだのでした。

 本当にみなさんのご厚意、協力がありがたかったです。たった一人の思いつきと勢いでやってしまった行動に多くの方が助けてくれて、無事バトンをつなぐことができました。都市と地方をつなぐことができたんです。

これは購入いただいた方だけじゃありません。

☑ツイートにいいねを押してくれた方
☑リツイートやシェアで告知を助けてくれた方
☑コメントをくださった方
すべての方の行動の総和が、今日の結果なんです。

誰かがこれを見てくれるかも知れない。
関心がなかった人が、ちょっとしたきっかけや気付きになってくれるかも

ポケマルの強さは「購買者」ではなく「行動者」にこそあるんだなと思いました。商品を「買う」ことだけでない、支援の仕方、助け方、関わり方があり、それぞれできることをできるタイミングでやる集合体。それがポケマルファンの全部なんだと。

 多くの方のご厚意により、野菜はどんどん引き取られて行きました。今回、野菜は袋に詰め放題とし、わずかではありますが、お金をいただき、それを全額次の農園へのステップにしていただくことにしました。
(今回の移動に関する通行料やガソリン代、梱包資材は全部渡しの持ち出しで、頂いたお金からは一切引かずに、皆様の善意をそのままお渡しします!)

この手紙を前日のビジネスホテルで読んで、ちょっと涙が出ました。

5,行動する人になろう[結論]

 私達は、自分の生活が大事です。でも、誰かが困っていたり、助けを求めていたりするとき、余力や能力、力があれば助けることができます。その助け方や貢献の仕方も様々。無関心を決め込むことだってできるのです。

でもね、「一人にすぎない」「一件にすぎない」「とある農家に過ぎない」とみんながみんな思ったら、何も起きないんです。

今回、すぐに行動し、そして自分でかかる費用を負担してでもやろうとしたのは、これからの時代「きっかけが不足する」ようになると思っているからです。

仮に、高級レストランや高級寿司を都内で食べれば一人3万円ぐらいいくでしょう。90分ぐらいで食事し、あー美味しかった。それは一人の喜び。一時間半の価値。けれど、今回のように、同じお金をかけたとして、移動する時間、そこで起こる出来事、沢山の人の思いや感想に触れ、そして、多くの人の善意や願いが繋がる。同じ金額で得られた価値って人生でどうなの?って思えば、後者の使い方に幸せはまさにプライスレス。

いつだって、どこだって欲しい物が買える時代に、

☑なぜ買うか
☑だれから買うか
☑いつ買うか

その理由さえ見つからない人が、お金を持ちながらも欠乏する時代がやってきているのです。それこそが、資本主義の限界であり、効率性だけで生きる価値があるわけではない「人間」としての存在価値なんであろうと。

今回、私の思いつきと、妄想と、勝手な行動で多くに人にご迷惑と手間を欠けてしまったかもしれません。お詫び申し上げるとともに、付き合ってくれた方々に感謝申し上げます。

今回は、長野県岡谷市にお住まいのとある農家の話かもしれません。でもこんなことは全国どこでもあるかもしれないし、いきなり当事者になることもあるかもしれない。そんなときふと思ってほしいんです。

「行動すること、一歩前に進むこと」の大切さを。

こんな境遇でも前向きに進む、五味さん夫妻、本当に貴重な機会を体験をありがとうございました。とても有意義で、人生の様々な記憶の1つに残る体験をさせてもらえました。

そして、それを支えてくださった、Twitterで参加の皆様、ポケマルスタッフの皆様、購入者の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。無事、都市と地方がかき混ぜられて、ミッションコンプリートです。

今回手にしたお野菜は、早速、お夕飯にて、供養しましたよ!
(大根の葉がめっちゃおいしいわ!!)

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これからも機会を見て、都市と地方をかき混ぜてみたいと思います。最後までご購読ありがとうございました。また、これからも面白いことしてほしい!なんて思っていただけた方、フォローいただけたら幸いです。また、サポートいただけたら、次のアクションの原資にします。

日本全国をかき混ぜていきましょう!高橋大先生!



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