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「欲」がすべてを動かす

もう眠い!という気分は誰もが感じるはず。その時仕事をしたり、遊びに行くよりも布団に入ってぬくぬくしたいと思いませんか?人間にとって、活動の源泉はやっぱり「欲」であり、常に、この「欲と理性」との間の葛藤で、すべての物事が決まっている、と思うわけです。

1、今求められている「欲」とは何か

人間には3大欲求があると言われ「食欲、性欲、睡眠欲」は根源的なものとして誰もが知っているものでしょう。食べなければ死んでしまいますし、子孫繁栄をしなければ人類は滅亡してしまう。そして睡眠を取らなければ活動もできなくなる。だから、人間としていきていくうえで「基本的な欲求」と言えるでしょう。それをマズローの欲求5段階説では「生存欲求」と呼んで、第一番目に置いたわけです。

いま、私達が生きている社会で、最低限満たされなければならないこの生存欲求に困窮している人は増えているとはいうものの、でも多くの人にとっては何らかの方法で満たされている状態であるといえるでしょう。

そして、街中で突然襲われたり、命を狙われてピストルで撃たれたりすることもなく、諸外国に比べて一定の「安全欲求」も満たされているのがこの我が国(ただし、それが崩壊しつつ会ったりするというのはいまはとりあえず横においておきましょう)

とすると、今、日本では、マズローの欲求に従えば、第三番目の「社会的欲求」や第四番目の「承認欲求」にポイントがあると考えて良いでしょう。

第一段階(生理):生きていくために必要な、基本的・本能的な欲求
第ニ段階(安全):安心・安全な暮らしへの欲求
第三段階(社会):友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求
第四段階(承認):他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求

第五段階(自己実現):自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求

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SNSで「映える」が流行るのも、「これを食べたり飲んだり、買ったりできる私ってすごい?」のようなマウントがその投稿といいねを欲する源泉の多くであろうし、たとえ他人に自慢するようなことが目的でなくとも、「私」という個性やタイプをどういう人間として捉えてほしいか、という「社会の中における立ち位置や定義」みたいなものを確立しようとしている心理が背景にあると考えて良いでしょう。

消費行動が動くのは、こうした「心理」が大きく影響しているといっても過言では有りません。

2、「消費」とは「欲」を形にしたものである

消費はなぜ起こるのか。それはそれぞれの「欲」を「商品やサービス」という形に変える行為そのものです。

だから、「品質がいい」とか「こだわりがある」というのは、あくまで造り手側のマスターベーション(自己満足)に過ぎず、買い手にとっては、消費を決めるということにおいては「意味のないもの」です。

だから、自分の商品やサービスを売るにあたっては、「これはどんな欲に対して選ばれるものなのか」をよく考えることが「売れる」ためには必要なことです。

例えば、テーマパークで遊んだ後、お土産を買って帰る行為。ぬいぐるみやカチューシャに実務的な意味はないでしょう。それでも、買ってしまう。あるいは普段そんな趣味も内容なイメージの人でさえ、買ってしまう心理。

とても楽しかったという「思い出」が消えてしまうその瞬間に「形に残したい」という欲求があるからこそ、グッズというのは売れるのです。それは、スポーツ観戦でも、コンサートのオリジナルグッズでも同じことです。

一方で、普段の食においても、すべてが同じ「欲」で購入されているわけではありません。誰かの好物かもしれないし、お祝いかもしれない。あるいは謝罪の気持ちを伝える手土産かもしれないし、溜まったストレスの発散なのかもしれない。

そうした、「この商品を欲しくなる心理に何があるか」を想定することが、自社の商品やサービスが売れるために「どこに、どんなメッセージで、何を提供すればよいか」が必然的に決まるのです。

3、「モノ」は売れない。「共感」で売れる

商品が優れていれば、ただそれだけで売れるのではありません。欲という心理がそこにはあり、それが提供された商品やサービスとして「共感」することで、はじめてそこに「購入」という意思決定がなされます。

だから、「モノ」を必死に売ろうとするのは愚策中の愚策。大切なのは、相手が「何を欲していて」というところを言語化し、そして共感し、そのためにこんなものがある、という「つながり」を示すこと。

「売り込む」必要はないのです。「買いませんか?」などというセールストークは不要です。「買ってください」というお願いも不要です。そこに必要なのは、相手の心にもやもやとしてまだ形になっていない心理を「言葉」という形で具現化すること。徹底して「消費者の心理」だけを考えていけばよいのです。

モノ不足で、とにかく「売る側」に力があった時代は終わったのです。食費よりもスマホが面白く、ストレス発散になるのなら、スマホ代やゲームの課金のほうが勝る時代です。消費者が、自分の顧客が何を考えているのか、想像することが、とても大切なのです。


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