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【ネタバレ注意】映画「ブータン山の教室」のご紹介

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お久しぶりです。2度目のコラムを書きます、ゆきです。
何を書こうか、悩んでいたのですが先日、「ブータン 山の教室」
という映画を見てきたので感想をつらつらと話してみようかなと思います。
まずは、予告編映像はこちら。

どうしてこの映画を見に行ったのか?
それはメンバーの一人、井上が以前青年海外協力隊でブータンに2年間住んでいたからです。

ブータンの話やブータンでの生活については井上から聞いていたので少し想像や妄想は膨らんでいたのですが、今回の映画は井上が住んでいたタシガンという場所よりも、もっともっと山奥のルナナ村という村での話でした。
ルナナにはブータンの首都ティンプーから8日かけてバスに乗ったり、山を登ったりして向かうのですが、途中にある村の人口はなんと3人(父母子の一家族)!ルナナヘ向かう人の為に民宿をやっているそうです。宿泊する人にはお酒やご飯をご馳走するのですが、お父さんは裸足で生活、息子はピカピカの長靴を履いているのが印象に残りました。

首都のティンプーであまりやる気のない若い先生が、政府からの人事でルナナ村へやってきて子ども達に勉強を教えます。その先生は教員をやめてオーストラリアにいきたいと夢見ていたので、ビザの申請がおりるまでの短期間をルナナで過ごすことになりました。
はじめはやる気のなかった先生も、子どもたちの「勉強したい」というキラキラした目に惹かれて、どんどんやる気がみなぎっていきました。英語の授業ではAはApple,「どんなものですか?」と先生が聞くと、「果物です」と答える子どもたち。BはBall「遊ぶもの」Cはcar「わかりません」と会話が続いていきました。車という存在を見たことも聞いたこともない村の子どもたちを演じていたのは実際の現地の子です。
演技?というのは初めてだと書いてありましたが、時には鼻をほじっているくらいすごくナチュラルで、ドキュメンタリー映画なのかと思いました。
(映画の公式サイトはこちら)

最後にはオーストラリアで歌手になるという夢を持っていた先生が、オーストラリア行きのビザが降りたことでお別れになるのですが、その際の心の葛藤が見ていて苦しくなりました。

「私たちの国は外国から幸せの国と呼ばれてるらしい。その幸せの国の若者がどんどん外国に出て行く。」

これは映画の中の村長が寂しそうに発した言葉です。幸せの国といわれるブータンが今直面しているさまざまな葛藤そのものを表していたと思います。これを若手ブータン人監督が作った作品であることもなんとも感慨深いです。
個人的には主人公の先生に村に残ってくれと願いましたが、きちんとお別れをしてオーストラリアへ旅立ちました。きっとこれがもし自分でも、その選択をしたように思います。
しかし、オーストラリアへ行って歌を歌っていてもルナナ村の人たちのことを思い出し、あまり浮かない表情で終わります。

だいぶ内容は端折っていますが、見終えるとなんとも言えない気持ちになります。幸せってなんだろうと、、。
皆さんの気持ち、感想も聞いてみたいです。
岩波ホールで他にも面白そうな映画やってそうです。通ってしまいそう。
(岩波ホールのHPはこちら)