見出し画像

リリース記念!ピコピコサバイバーズ開発インタビュー!

こんにちは!ScopeNext広報担当の中川です。
今週は先日リリースしたピコピコサバイバーズの開発についてインタビューを行いました!
ピコピコサバイバーズの魅力やライブゲーム開発についてなど語っていただいておりますので、ぜひご一読ください!

谷口さんの自己紹介をお願いいたします!

ピコピコサバイバーズ(以下ピコサバ)のディレクターをしております谷口です。
本日はよろしくお願いします!
プロダクトの全般的なディレクションを行っていて、主に進行管理、クリエイティブチェック、企画全体の指針を決める業務を担っています。

早速ですが、ピコサバの紹介をお願いします。

ピコサバはMirrativという配信アプリ上で提供しているライブゲームの一つで、2Dドット絵の可愛いキャラクター達が戦う、爽快ハクスラになっています。
ライブゲームとは、配信をしながら視聴者とコミュニケーションを取って遊べるゲームです。ゲーム単体でも楽しめるように設計していますが、配信を通して遊んでいただけるとより楽しめるサービスとなっています。

2Dドット絵が魅力のゲーム画面

ピコサバを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

様々な要因はありますが、相性が良さそうなベンチマークタイトルが見つかったときに全体像が一気に決まったことが大きいですね。
あとは自分自身が「面白く作れる」という自信があったからです。
ゲームって面白くて当たり前と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それが出来たら全てのゲームはヒットしていますからね……。

ベンチマークタイトルを探すときに気を付けていたことはありますか?

ビジネスとして成立するか・ユーザーが遊んで楽しいかという二点はもちろん、ライブゲームの「配信でコミュニケーションを取る」という特徴から、画面映えすることも強く意識していました。

ピコサバのコンセプトを教えてください。

コンセプトは初期から変わらず「2Dドットのキャラ達が戦う爽快ハクスラゲーム」ですが、サービスとして大事にしているのは「快適なゲーム体験」と「ライブゲームとしての面白さ」です。

例えると、24時間やっているコンビニで深夜に行っても昼と同じサービスを受ける事ができるようにする、と目標を掲げているようなものです。配信中にゲームが動作不良になったら、配信が気まずい空気になっちゃいますよね。そのためしっかりとこの目標を明確にしました。

当たり前だと思われがちですが、開発を進めることと作ることに集中して視野が狭くなってしまうこともかなり起こるため、サービスとしての目標を律することで、常に開発チームに意識させる事ができたかなと思います。

ターゲットはどのような層を想定していますか?

根本は配信プラットフォーム上で提供するゲームであるというサービスのため、プレイ層のみで考える既存のゲームマーケットと同じとはいきませんでした。ユーザーさん達も、元は配信が目的で配信アプリを始めたのでしょうからね。

そのため、ピコサバのプロダクトを進めるにあたっては、ターゲット層は大きく「配信層」と「視聴層」の2つに分けて考えていました。

配信層は、配信を通してゲームをプレイしていただくユーザーさん達。
男女比はやや男性が多いかな、という考えのもと進めました。

視聴層は、配信を見ることを目的にしているユーザーさん達。
この層はどちらかというとゲームへコミットするタイプではなく、配信者さんを見たり、ギフトをして応援したりして楽しんでいる人達がメインで、配信やゲームをやる時間はないけど雰囲気やコメントだけでも参加したい、というニーズのあるユーザーさん達です。
ニアイコールでプレイメイン層とも被っている想定でした。(2つの円の一部が重なっているイメージです)

どうしてそのターゲットにしたかについては、どちらかというと後発で、Mirrativさんの多くのユーザーさん達がそのような構図に見受けられたからです。できるだけ今Mirrativさんの中で形成されている配信/視聴コミュニティに沿ったゲームを目指しました。

ピコサバといえば、2Dドット絵が可愛いですよね!
昨今は3Dゲームが流行っていますが、
その中で2Dドット絵にした理由を教えてください。

2Dドット絵にした理由は大きくわけて3つあります。
①ターゲット層が好みそうなデザインであるため。
②ライブゲーム市場は3Dゲームが多く、2Dドット絵ゲームが無かったことから、ライブゲームの中でも競合のいないポジションが取れそうであったため。
③大量の画像を表示させるゲーム性から、提供ツールの処理負荷を考慮した結果、デフォルメ画像(ドット絵)を使用することにより、画像容量を減らすことが可能なため。

①については、世代にもよりますが「ドット絵というテイスト」という認知が現状の傾向で、表現の一種として受け入れられると判断しました。実際可愛いですし、僕自身も好きです。
②については、③にも関連しますが、3Dゲームだと処理負荷と表現の限界があると思います。
Mirrativのユーザーさんは様々なアプリの配信をするわけですから、リッチなゲームにも精通している可能性もあります。
ユーザーさんからすると表現や重さなんて都合は関係なく一括りに「ゲーム」なので、新鮮さや見劣りせずに快適に遊べるデザインということで2Dドットを選択しました。
③については、当初はマルチプレイも想定していたため、負荷を減らすことは必須でした。実際に2Dにしたおかげで、開発期間中に動作が重いという問題は発生しませんでした。

ピコサバには魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、キャラクターを制作するにあたって意識したことや、見てほしいポイントなどあれば教えてください。

意識したことの前提として、オリジナルIP、かつ有名なイラストレーターさんにイラストをお願いするという形ではなかったため、ネームバリューなしでどうやってユーザーさんに刺さるイラストにできるかが課題でした。

そのため、ユーザーさんが魅力的に感じるキャラクターを作るにあたり、ここが好きと思っていただけるようなポイントを大量に詰め込むのと、キャラクター性を「完璧にしない」事で、どこか愛嬌があり好きになれる部分を作ることを意識しています。

実際にゲーム内に登場している「クロエ」というキャラだと、「幽霊だけが友達のイキリ陰キャネクロマンサー」というコンセプトで作り、派手な髪とゴシック服で見た目は凄く可愛いのに、肝心のキメポーズが内股で指の曲がったピースになっていたり……
「可愛いだけじゃない、かっこいいだけじゃない」部分や「ここが好き!」と思わせるこだわりなど、こんなの誰が見るんだ! という部分までこだわっていますので、登場するキャラ達の細部まで見て、少しでもこだわりに気づいていただけたら幸いです。

実はキャラ詳細のテキストも練られていますので、今後登場するキャラなどとの関連性などもお楽しみいただければと思います!

開発中に大幅に変わったデザインなどがあれば教えてください。

デザイン面で大きく変わったのは「実際に戦闘を行うマップ」と「キャライラスト」ですね。
元々はチェスのマスのようにグリッドのような方式でデザインを簡略化するつもりだったのですが、開発チームが想像を超えるデザインを出してくれたので、今のようなドットテイストなデザインになっています。

あとはキャラ達ですが、ラフから何度もリテイクを重ねて今ユーザーさんに届いているイラストになっています。
クロエなんかはポーズラフから大きく変わりましたね……!
コンセプトが大きく変わったのは「カイ」というキャラクターで、設定を考えていくうちに戦士から吸血鬼に変わりました。
何度も調整いただいたおかげで、ユーザーさんからも非常に好評なキャラ達に仕上がっています。

ポーズラフを3案の中から選定 詳細ラフでは細かい衣装やポーズを指定
完成ビジュアル

開発期間はどのくらいかかりましたか?

開発期間はトータルで半年弱です。
当初の予定としては12月リリースでしたが、様々な事情があり2ヶ月延期をする形で進行しました。

実を言うと、出来上がったゲームはシングルプレイのみになっていますが、最初はマルチプレイゲームで考えていました。視聴者さんも参加できたら楽しいだろうなと。
ある程度形になってきた段階で期間などの兼ね合いからプロデューサーと相談して、リリースはシングルプレイに絞っていこう、ということになりました。延期期間はシングルプレイ化への調整を主に行っていました。
シングルに切り替える対応に伴いUIなども調整が必要だったため、かなり製作チームを振り回してしまったな……と反省しています。
その他にも、配信を通して今ゲーム上で何が起きているかをわかりやすくするために、演出やビジュアル面の強化なども行いました。

マルチプレイからシングルプレイに変更したのは大きな判断ではありましたが、最終的にはシングルプレイに特化してよかったと思っています。
マルチだと開発期間もさらに延びますし、まずはソロでも楽しいゲームをお届けできたことが大きいです。

開発中に大変だったことはありましたか?

開発では往々にしてありますが、特にコミュニケーション面はかなり課題でした。
経験則上、こういった新しい市場に挑むときはとにかくアウトプットとコミュニケーション数を増やす必要があると考えていますが、開発期間が短かったのと、私自身半分ぐらいプロデュース業務も担っていたため、タスクオーバーとなり、なかなかチームとの時間を作れなかったのが良くなかったです。
プロダクトの都合と現場の都合、という問題もあり結果的に自分自身がボトルネックになる機会が目立ちました。

開発期間延長の要因にもなりましたが、特に企画部分ではゲーム体験だけではないUXの検討も必要なのと、全く知らない市場での体験を生み出さなければいけなかったため、市場調査しながら、視聴する人達のUXも考慮しなくては……と設計範囲が広く、パッと仕様を出すのが最後まで難しかったです。

対処というほどではなく、どちらかといえば荒療治なのですが、ディレクションと開発のハブになる、コミュニケーションをメインに取る人を用意したり、とにかくチームと製品のイメージ共有の機会を増やしたことですね。
チームのハブになってくれたマネージャーには感謝しきれないです。

そのおかげか、開発が進むにつれ「実際のモノ」を見ながら会話ができ、細かいズレやブラッシュアップを重ねて一段ずつ面白いを積み上げていけたのが大きかったです。

開発秘話があれば教えてください。

各キャラのスキルは、もともとマルチプレイを想定して作ったものをシングルプレイ用に変更しています。
例えば「クロエ」というキャラクターは、今はHPがなくなると自分を復活させられるというスキルを持っていますが、マルチプレイでは他のプレイヤーに触れるとそのプレイヤーを復活させられるというスキルでした。

どのような方と一緒に開発をしたいですか?

どんな職種でもそうですが、探求心が強く全力を出せる人でしょうか。ゲーム開発や運営など、自分自身が楽しめないとお客様も楽しめるものにならないので!
会話することが好きな人だとより良いかと思います!
今後の市場を鑑みた話でいうと、配信ニーズが上がっている背景があります。なので、UIのわかりやすさや演出など、見ている人も楽しめるビジュアルが求められているため、演出などもできるデザイナーが増えてくれると嬉しいですね!

ゲームシステムを考える上で意識した部分を教えてください。

いかにコミュニケーションのキッカケを作れるかという部分で、特に「配信していて楽しいか」と「視聴者の誰が何をしてくれたか」の部分を意識して作りました。

例えば、バトルではサポートモンスターという形で、視聴者さんがモンスターとなって登場します。
これはMirrativ側の担当者様からいただいた意見を基に作った要素で、「見ているだけでゲームに参加できる要素」として開発期間が短い中で急遽取り入れました。

参加した視聴者さんが味方のモンスターとなり登場し、攻略を少し手伝ってくれるのですが、何せ自分が動かせるわけではないですから、敵のモンスターに突っ込んでやられてしまうわけです。
明確に攻略に寄与しないバランスにしているのもあり、一見意味がないように思えますが、Mirrativという視聴者さんと距離が近いプラットフォームで、仲のいい視聴者さんとの関係性があるからこそ、シュールな面白さがある要素になっています。

また、ギフトについても「視聴者の誰が何をしてくれたか」にこだわっています。例えばメテオというギフトは、贈ることで敵全体へダメージを与えることができ、配信をしている人にとっても大助かりなのですが、この降りそそぐメテオが視聴者のアイコンになっていて、非常に存在感のあるメテオがバトル中に降りそそぎます。
ギフトの数によっては画面を埋め尽くすほどのアイコンが降り注ぐため、その主張感たるや凄まじいものになっています。

このように、いかに視聴者さんが目立てるかという部分も強く意識して作っていますね。
説明しているだけだとかなりシュールですが、実際に配信を通して体験してみていただけたら嬉しいと思います!

ピコサバがMirrativのゲームランキング1位を獲得しましたが、感想はいかがですか?

新しい市場、オリジナルIP、ScopeNextのライブゲーム1本目という失敗できない状況下での開発だったので、人気が出て安堵しているというのが正直な気持ちです。
また、ライブゲームとしての楽しさも実現できたと思っていますが、ブラッシュアップできる部分もあると考えています。
ライブゲーム自体が未開拓な市場のため、可能性はまだまだありそうです。

これからの『ピコピコサバイバーズ』の展望を教えてください。

まずは、開発チームを代表してすべてのピコサバユーザー様へお礼申し上げます。リリース当初から想像以上に沢山のユーザー様に遊んでいただき、大変嬉しく思います。お寄せいただいたご意見などは、今後の開発の参考にさせていただきます。
開発チームを代表してお礼申し上げます。

ピコサバの今後の展望ですが、今ある面白さをより広げるため、メインクエストや新しいキャラ・武器・スキルなどの追加を行い、一人でも多くのユーザー様に快適に楽しんでいただけるよう、様々な機能のブラッシュアップや不具合修正に注力しております。

また、新機能の追加や機能の改善など、様々なアップデートを予定しており、チーム一同尽力して参りますので、情報公開まで何卒お楽しみにお待ちいただければ幸いです!