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(ネタバレ感想)プロジェクト・ヘイル・メアリー

 …。以下ネタバレです。

 ロッキーいい奴。ロッキーかわいい。ロッキー凄い。ロッキー萌え。
最後ハッピーエンドでよかった。
 …。主人公には色々言いたいことは無いでもないですが、まー観測と船外活動がんばったから許してあげよう。(←何様)ロッキーや、かわいい生徒たちと幸せにな。(ていうかロッキー伴侶いるだろう)

 大体感想は以上です。ぼろぼろ泣きながら読みました。とてもよかった。…。以下ひねくれ者の蛇足です。(しかも結末までネタバレ)

…、ま、not for me要素も実はてんこ盛りだったんですが、(いやわかってはいるんだ、地味な理科教師のところにバリキャリが突如現れて「あなたの力が必要なの」みたいな話を必要としている人もいるとわかってはいるんだ。わたしの心が狭いだけで。)ロッキーの可愛さが全部押し流していく感じ。可愛さの暴力!みたいな。

 メインプロットは実は宇宙戦艦ヤマトと大体一緒というか。異星から訪れた生命体のせいで地球人類は滅亡の危機に。遠く離れた星系に人類を救うためのアイテムがあるらしいことを知った主人公たちは、異星から訪れた生命体にヒントを得た宇宙船を作り、決死の旅に挑む。主人公は地球人類が滅びるまでに無事アイテムをゲットし、地球に送り届けることができるのか。みたいな。
 もちろん、宇宙戦艦ヤマトとは全然違うところも多くて、宇宙戦艦ヤマトでは地球を襲ったのは知的生命でしたが、プロジェクト・ヘイル・メアリーでは、何と単細胞生物。その生物の代謝によって引き起こされる現象が地球の環境を変化させ、結果人類の生存が脅かされるっていう設定なので、話し合いの余地なし、みたいな。あと、道中で知性を持つ敵の異星人の宇宙戦艦との戦闘とかもないです。

 で、それでどうやって話を盛り上げるのかというと、アイテムをゲットするための危険な船外活動だったり見通しの甘さがたたって起きた事故だったりそれをリカバリーするための決死の行動だったりするわけですが、ていうか、(すごくネタバレします。ここネタバレすると怒る人多いみたいなんすけど、まあ、ネタバレタグつけてるしタイトルでネタバレって書いてあるしいいすよね。)最大の盛り上がりポイントは、同じ目的のためやはり別の星系から目標地点に訪ねてきていた異星人の腕利きエンジニア、ロッキーとの出会いと育まれる友情すよね…。

 ロッキーの種族が極めて高温高圧な環境に適応してて、呼吸に必要な大気の組成も人間とは全然違うので、ロッキーと主人公は基本的には隔壁で隔たれた場所で超強化ガラス…じゃなかったキセノナイトごしに会話してるって設定には、なんか作者のポリシーを感じました。「異種族間の友情というと触れ合いとか思う奴もいるだろうがそうじゃないだろー」みたいな。(ああでもそうでもないのか?クライマックスがアレだからタメただけ?いやでもしかしまあ…。ううむむむ。)

 そしてロッキーの種族は、3~4日に一度数時間寝るんだけど、いったん寝ちゃうと起きる時間までは途中で目を覚ませない。だから彼らの種族は、寝るときは外敵から身を守るため絶対誰か他の仲間に見守ってもらう生物なんだって設定を解説したうえで、作戦途中でほかの仲間をすべて失ったロッキーは、地球時間で46年たった独りであそこでがんばってたとかさらっと説明するの、「そんなん泣いてしまうやろー」みたいな。主人公はそんなロッキーを救済した(いやまあ、寝るとき見守ってただけですが)わけで、うんまあ、そりゃロッキーも懐いちゃう(いやまあ、ロッキーのほうが実年齢はだいぶ上ですが。まあしかし、現在の年齢/平均寿命の値で考えると大体「同世代」くらいの感じすよね。主人公とロッキー。)よな。アイテムゲットするための作戦を立案し、遂行するのに必要な科学的な知識もあるしな。

 ラスト、あのあと主人公は、結局エリダニに骨を埋めるだろうとわたしは思いました。だってさー、
 
エリダニ:無二の親友がいてかわいい生徒たちがいて、星を救った英雄としてみんなが大事にしてくれるけど、居住区域から一歩も外に出られなくて重力2Gでいまいち食事が(多分あんまり)美味しくない。

地球:生まれ故郷だし重力は1Gで食事も美味しいし、地球を救った英雄として多分みんなが大事にしてくれるだろうけど、帰るまでの旅がそうとうキツそうだし知っている人はみんな亡くなってて多分治安もよくない。

だったらエリダニですよね…。確かにヘイル・メアリー号がちゃんと整備してあって、主人公は帰る気になれば地球にいつでも帰れるって描写はありましたが、それは、逆に、主人公は帰れなくなってしまったので仕方なくエリダニにいるんだって間違って受け取る読者がいないようにだと、わたしは解釈しました。


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